2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26253037
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
下内 章人 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80211291)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝晴 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (20135388)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 活性酸素 / 大気圧イオン化質量分析 / 水素消費試験 / ヒドロキシルラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度から27年度の二年間にわたり,ROS計測法の周辺技術開発に集中した技術開発を行い,また従来技術を改良し臨床評価試験を実施する計画を立てた.「生体ガスの長期調査」の調査項目に追加するため下記の研究開発を同時進行で実施した.他方,現在進行中の吹田コホート調査とリンクした「生体ガスの長期調査」が4年目に入り,健診者の新規追加と生体ガスデータの蓄積と追跡を継続した.間接的水素消費量計測法は水素消費量(VH2)は生体内で活性酸素を消去するために消費された水素量であり,生体内ROSを反映するものと考えられる.このうち水素水飲水法は原理的に計測時間の短縮化と被験者負担を軽減することが難しいことが判明し,低濃度水素ガス吸入法による全身ROS生成量計測法を従来のマウスピース法からマスク法に変更したところ,従来法と比較し,計測時間の短縮化とそれに伴う被験者の負担が軽減された.当所予想したガスリークが予想以上にリークが少なく,安静時水素消費量は従来とほぼ一致した.これに基づき,運動負荷試験も実施し,運動負荷中における酸素摂取量評価を併せて実施したところ,酸素摂取量と水素消費量の間に良好な相関関係が得られた.さらに超高感度質量分析とレーザ誘起蛍光法を組み合わせたシステムを設計し試作を行った.これにより次年度に向けたAPIMSスペクトルによる皮膚ガスROS活性の定量化評価試験に繋げることができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の間接的水素消費検査法のうち水素水飲水法は計測時間や被験者負担を軽減するため,低濃度水素ガス吸入試験を重点的採用と改良することに変更した他は,当初予定通り順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者らは独自の生体ガスによる活性酸素種(ROS)の計測原理を考案し,呼気・皮膚ガスへのROS放出検出と生体内ROS生成量推定法を開発した.この独自開発システムの基盤研究を基に生体ガス分析を用いたROSの非侵襲的計測技術を完成させ,種々の臨床評価試験を行い,継続中の疫学研究にも追加,世界初の網羅的生体ガス分析のみならずROSを含めた大規模臨床試験として展開する.これらの蓄積データをもとに生体ガスによるROS計測法4種の妥当性・有用性を確立,革新的検査法を実用化することを目的とする.
|
Remarks |
呼気と皮膚ガス中に含まれる微量成分を分析する技術開発とその臨床応用に向けた研究を実施。独自の高感度生体ガス分析解析システムを開発し、食事、心理的ストレス、喫煙、飲酒、嗜好、運動などの種々の日常生活活動が生体ガスに及ぼす影響を探索。また生体ガス診断技術を確立するため種々の臨床データを取得中である。これらの解析により簡便な呼気・皮膚ガス診断法を確立することを目的としている.
|
Research Products
(9 results)