2014 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染の重症化を調節する核内ネットワークの解明
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26253083
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
今井 由美子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50231163)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 核内ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画ではインフルエンザウイルス感染の重症化を調節する核内ネットワークに焦点を当てて、ウイルスRNAの核外輸送、ヒストン修飾変化を中心としたエピゲノム変化による病原性発現機構を解析し、これを基に宿主核内ネットワークの制御に基づいた抗ウイルス薬開発の可能性を探ることを目的としている。当該年度は、ウイルスRNAの核外輸送に関して、ウイルス感染に伴う核膜タンパク質や核膜孔タンパク質の動態をFISH・免疫染色法、ChIPseq法などを組み合わせて解析を行った。また、ヒストンH4のリジンメチル化酵素に着目して、同酵素のノックアウトマウスや細胞を作製して、重症型インフルンエンザモデルを使って、ヒストンH4のリジンメチル化修飾がインフルエンザの重症化に及ぼす影響について検討を行った。さらに同メチル化酵素と相互作用するウイルスタンパク質や宿主染色体再構成タンパク質の同定を行った。これらの検討からインフルエンザの重症化に核膜孔タンパク質を介したウイルスRNAの核外輸送、さらにヒストンH4のリジンメチル化修飾が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、インフルエンザウイルス感染症の重症化に核膜孔タンパク質を介したウイルスRNAの核外輸送、さらにヒストンH4のリジンメチル化修飾が関与していることを示唆する知見を得た。これらの結果は本研究課題が目的としているインフルエンザの重症化に関わる核内ネットワークの同定につながり、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに明らかになったインフルエンザの重症化に関与する核内ネットワークに焦点を当てて、そのネットワークの鍵を握る分子あるいはパスウェイを標的とした治療薬の可能性を探る方向で研究を推進する。
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Research Products
(11 results)