2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26253086
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90255654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 重徳 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50348801)
大野 建州 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80435635)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 免疫学 / 歯学 / 樹状細胞 / 口腔粘膜 / 口腔癌 / 免疫抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年見いだした、咀嚼粘膜における免疫チェックポイント分子 B7-H1の生理的発現についての研究を発展させ、炎症時における咀嚼粘膜に発現する B7-H1の機能と発現制御機構を明らかにした。生理的な状態では B7-H1発現は、有棘細胞に限られていること、上皮細胞を刺激する上皮への薬剤塗布刺激で、基底細胞の増殖が誘導されても 基底細胞におけるB7-H1発現には至らず、上皮下の炎症性細胞浸潤に伴って基底細胞にB7-H1が発現誘導されることを明らかにした。また、B7-H1は上皮細胞のみならず多くの免疫細胞に発現誘導されるので、B7-H1/PD-1ダブルノックアウトマウス由来の骨髄細胞移入により造血・リンパ系細胞を再構築した組織細胞にのみ B7-H1発現が誘導可能なキメラマウスに、OVA抗原特異的なTCRをもつDO11.10T細胞を移入し、舌背に OVA抗原を塗布するモデルにおいて、B7-H1を発現する上皮細胞が抗原提示細胞とPD-1発現局所浸潤 T 細胞との相互作用にトランスの立場で作用し、T細胞活性化抑制に働いている可能性を中和抗体および PD-1欠損 D011.10T細胞の使用から示した。また、末梢組織における制御が、局所応答のみならず、2次リンパ組織における免疫応答も制御できることを明らかにした。咀嚼粘膜における B7-H1発現制御は、粘膜を介して侵入する抗原に対する T細胞応答の制御に重要な働きをしていることが明らかになった。 免疫チェクポイント分子PD-1あるいはCTLA-4阻害は、メラノーマの治療に有効であることが示されてきたが、口腔癌の多くを占める扁平上皮癌における免疫チェックポイント阻害効果を、新規チェックポイント分子 VISTAを含めて解析し、3つのチェックポント分子の抗癌免疫応答における異同を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯髄免疫応答の解析および KikGRマウスを使用した免疫細胞動態解析は、手技的な問題から若干の遅れが生じているが、咀嚼粘膜における免疫チェックポイント分子発現による口腔特有の制御機構研究と当初予定していなかった口腔扁平上皮癌に対する抗癌免疫応答における異なる免疫チェックポイント分子の機能特性の研究においては、大きな進展が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔癌および口腔粘膜炎症モデルにおいて、局所あるいは2次リンパ組織で、IL-10産生T細胞あるいは Foxp3+制御性T細胞が強く関与していることが示唆されてきたので、これらの細胞の誘導に至る因子について検討を進めて行く予定である。
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Research Products
(16 results)