2014 Fiscal Year Annual Research Report
オレムのセルフケア理論を基盤とした「こどもセルフケア看護理論」の構築
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26253098
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
片田 範子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (80152677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝田 仁美 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (00254475)
添田 啓子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70258903)
加藤 令子 共立女子大学, 看護学部, 教授 (70404902)
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
及川 郁子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (90185174)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | こどもセルフケア看護理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、こどもの主体性を引き出し、小児看護の実践に適応できる「こどもセルフケア看護理論」を構築する事である。平成26年度は、下記の通り、研究開始に向けた整備と理論モデルの構築に向けた準備を行った。 1.円滑に情報共有するためのICT環境の整備 研究の円滑な連携システムとして、遠方に渡る6大学に所属する研究代表者ならびに研究分担者がどこにいても円滑な情報共有ができることを可能とするとともに、今後の大学と臨床を繋ぐことを加味して、タブレット型端末の購入ならびにパソコンやタブレット型端末で利用可能な遠隔テレビ会議システムを各大学に導入した。 2.理論モデル構築に向けた準備 オレム看護論―看護実践における基本概念(オレム,2005)ならびにNursing: Concepts of Practice, 6 Ed.(Orem, 2001)を精読して、こどものセルフケア看護理論を構築するにあたって課題となることについて、各大学毎に分担を決めて分析を行い、6大学合同の遠隔テレビ会議システムを用いた会議に持ち寄って検討を行った。それらの会議録を読み返し、分析した結果、こども看護理論の構築にあたって検討すべき16の課題があることが明らかになった。年度末に6大学の研究者全員が顔を合わせての会議をもち、上述の16の課題ならびに平成27年度の推進について共通認識をもった。また、国内外の学術集会においてセルフケア看護関連の発表から学術的な知識を収集するとともに、理論構築に向けた意見交換を行った。そして、この時点で、申請時の計画では臨床へのインタビューガイドを作成し、質問紙調査をする準備を予定していたが、会議での検討の結果、丁寧にオレム看護論を読み進めることに時間を使うこととし、来年度の夏に千葉で開催予定の「こどもセルフケアカンファレンス」において直接臨床家と意見交換をすることに計画の修正を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
6大学の研究代表者ならびに研究分担者がオレム看護論に精通しており、連携研究者ならびに協力者も臨床現場や教育現場において現在その実践をしているものであったため、各グループでの検討と合同会議での検討によりケアモデルの精錬に向けた検討を繰り返すことが必要であると判断した。オレム看護論―看護実践における基本概念(オレム,2005)ならびにNursing: Concepts of Practice, 6 Ed.(Orem,2001)を読み込み、各グループでの検討と合同会議における検討を重ねたことで、当初予定していたこどもセルフケアモデル(案)を構築する基本的枠組みと検討すべき課題を明らかにすることができた。また、今後の方向性として、抽出した基本的枠組みや課題についてさらに検討を重ねて、臨床に活用できるこどもセルフケアモデル(案)の構築を行うことを研究者間で合意した。
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Strategy for Future Research Activity |
【平成27年度】 平成27年度は、平成26年度に明らかにした基本的枠組みと検討課題について検討を重ねる。まず、こどもセルフケア看護理論モデルの基本的な枠組みの更なる検討を、共同研究者間で実施し、こどもセルフケアモデル(案)を構築する。申請時の計画では、臨床へのインタビューガイドならびに必要時質問紙調査をする予定としていたが、臨床家ならびに教育研究家と直接意見交換することに計画の変更を行い、セルフケア理論の活用の現状などをから、こどもセルフケアモデル(案)について、臨床家ならびに教育研究家との直接の意見交換を行うための「こどもセルフケアカンファレンス」を千葉で開催する計画である。そして、この時点で、こどもセルフケアモデル(案)の精錬のために、本研究の基盤であるオレムの看護理論を継承かつ看護理論家である研究者を海外(米国)より招聘し、米国でのオレムの看護理論のこどもへの適応等も含めた意見交換を行う会議を実施する計画への修正が必要であると考えている。その後、臨床における適用性の検証のために、こどもセルフケアモデル(案)を臨床に導入する際に、臨床と大学研究者を結びつけ導入を円滑に行うことのできる専門看護師へのモデル説明ならびに意見交換を行うための「臨床への導入のためのワークショップ」を東京で開催する。 これらにより、理論の実践的活用の妥当性を確認しながら検討を進め、臨床に即した看護理論の構築を行う。
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Research Products
(1 results)