2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reconsideration of pastoralism theory from milk cultural point: Creation of new pastoralism perspective through global scale interregional-comparison
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26257014
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30396337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 睦 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (00312926)
池谷 和信 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (10211723)
月原 敏博 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 教授 (10254377)
辻 貴志 佐賀大学, 農学部, 特定研究員 (30507108)
増野 高司 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 客員研究員 (40569159)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳文化 / 牧畜 / 生業 / 文化圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研最終年度の平成2018年度は、全体をまとめることに主眼が置かれた。まず、組織委員の都合により延期されていた国際シンポジウム「バルカン牧畜の伝統と変遷」を、ブルガリアの首都ソフィアにある国立民俗学博物館で2019年2月に2日間にわたって開催した。文化人類学者、生態学者、畜産学者が総勢100名ほど集まり、乳文化を中心とした牧畜の特徴や生業の成立、近現代の政治経済による牧畜の変遷についての話題提供があり、バルカン地域の牧畜の構造について議論を交わした。 最終年度では、主に非搾乳文化圏における乳に依存しない牧畜構造について検討した。南米でリャマ・アルパカを飼養するケチュア系牧畜民の事例では、「非母子畜分離―母子畜間の関係性維持」の状況下にあり、催乳のような搾乳をめぐる生理的ハードルをクリアする技術の発想に至る回路がアンデスにおいては準備されなかったのではないかと考えられた。東・東南アジのブタ飼養の事例では、哺乳行動と労働生産性からみたブタから搾乳されなかった要因を考察した結果、ブタから搾乳すること自体が困難であり、搾乳は1日中を拘束される重労働であり、かつ、得られる食料(乳)は極めて少なく、食料生産体系に組み込む必然性が必ずしも必要でなかったことが考えられた。 現地調査としては、中田はロシア連邦サハ共和国アルダン郡にてシベリア・タイガ地域におけるトナカイ牧畜とミルク利用の現状を現地調査し、トナカイにおける搾乳・非搾乳および牧畜構造について検討をおこなった。大石も同じくトナカイ牧畜についてロシア連邦ヤマル・ネネツ自治管区において現地調査を実施し、トナカイ牧畜の生業論研究を展開した。これらを含めた本年度の成果については、それぞれの分担者や研究協力者が学会発表や学術論文で積極的に成果の公表をおこなった(業績一覧参照)。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(50 results)