2015 Fiscal Year Annual Research Report
外部リスクに対応した事業継続マネジメント(BCM)の国際比較研究
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26257102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長平 彰夫 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10323122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 修一 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (00326539)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 事業継続マネジメント(BCM) / 事業継続計画(BCP) / 外部リスク / グローバリゼーション / 自動車部品産業 / サプライチェーンマネジメント / リスクランク / 構造方程式モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、次の分担で、各項目について研究を実施した。(1)先行文献調査・分析(長平、石田、中村、岡部、石原、横山、Mammetseyidov、 Montshiwa):BCP及びBCMに関する先行研究についてレビューを行った。特に、平成27年度は、こうした地域的な広がりも考慮して、基礎理論に依拠しながら、BCM理論の新たな体系化を実施した。(2)リスクランクに基づく必要在庫量の積算の有効性の検証(長平、中村、石原):平成26年度に構築したシミュレーションモデルを使用してリスクランクに基づく必要在庫量の積算の有効性に関して自動車部品企業を事例として検証した。具体的には、自然災害リスク(地震、風水害など)の発生頻度、原発、大規模化学工場からの距離、を勘案して、5段階でのリスク発生確率を算出し、必要在庫量が、このリスクランクに基づいてどの程度低減されるかを積算し、リスク評価モデルの有効性を実証した。(3)海外現地文献調査、事例調査(長平、石田、中村、石原、横山):北米、欧州、中国での文献調査および事例調査を実施した。具体的には、自動車部品が立地している北米、欧州(ドイツ、スウェーデンおよびその関連部品産業が立地しているチェコ、ハンガリー)、中国上海(日米欧の自動車関連部品企業立地)の大学研究者及び現地企業を訪問するなどして文献等の収集とアンケート調査項目の改善を行った。(4)大規模アンケート調査の実施及びデータ解析(長平、中村、石原、横山、Montshiwa):分析のフレームワーク及びパス解析による分析方法を確定した。その後、北米を対象とした大規模アンケート調査をインターネットを使用して実施した。148社から回答があり、そのうちの有効回答について、構造方程式モデリング(SEM)のSmartPLS2.0を使用して解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)先行文献調査・分析(当初計画比進捗率100%):BCPおよびBCMに関する先行研究について平成26年度、平成27年度にレビューを行った。特に平成26年度に実施した文献調査では、北米、欧州にとどまらず、中国、東南アジアにも研究が拡がっていたことから、平成27年度は、こうした地域的な広がりも考慮して、基礎理論に依拠しながら、BCM理論の新たな体系化を実施した。 (2)リスクランクに基づく必要在庫量の積算の有効性の検証(当初計画比進捗率100%):平成26年度にシミュレーションモデルを構築し、平成27年度にこれを使用してリスクランクに基づく必要在庫量の積算の有効性に関して欧米、アジアの自動車部品企業を事例として検証を行った。具体的には、自然災害リスク(地震、風水害など)の発生頻度、原発、大規模化学工場からの距離、を勘案して、5段階でのリスク発生確率を算出し、必要在庫量が、このリスクランクに基づいてどの程度低減されるかを積算し、経営満足と顧客満足の両立のためのリスク評価モデルの有効性を実証した。 (3)海外現地文献調査、事例調査(当初計画比90%):平成26年度、平成27年度に北米、欧州、中国での文献調査および事例調査を実施した。具体的には、自動車部品が立地している北米、欧州およびその関連部品産業が立地している欧米各国、中国上海(日米欧の自動車関連部品企業立地)の大学研究者及び現地企業を訪問するなどして文献等の収集とアンケート調査項目の改善を行った。平成27年度は、調査時期がテロと重なり、計画をやや下回った。 (4)大規模アンケート調査の実施及びデータ解析(当初計画比100%):分析のフレームワーク及び分析方法を確定した。その後、北米を対象とした大規模アンケート調査をインターネットを使用して実施した。148社から回答があり、そのうちの有効回答について、構造方程式モデリング(SEM)のソフトウェアであるSmartPLS2.0を使用して解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降は、次のように研究を推進していく予定である。 (1)先行文献調査・分析:先行研究についてさらにレビューを行う。平成26年度、平成27年度に実施した先行文献調査では、北米、欧州にとどまらず、中国、東南アジアにも文献調査対象地域が拡がっている。平成28年度以降は、こうした地域的な広がりも考慮して、基礎理論に依拠しながら、リスクマネジメント理論、BCM理論、サプライチェーンマネジメント理論の新たな体系化を試みる。 (2)海外現地事例調査:平成27年度に引き続き、北米、欧州、東南アジア、中国での現地事例調査を実施する。具体的には、自動車部品が立地している北米、欧州、タイ、中国上海・武漢・大連の大学研究者や企業を訪問するなどして文献等の収集と事例調査を行う。 (3)大規模アンケート調査の実施及びデータ解析:これまでに確定した分析のフレームワーク及び分析方法を使用して、欧米亜を対象とした大規模アンケート調査を実施する。具体的にはアンケート調査データは、構造方程式モデリング(SEM)のソフトウェアであるSmartPLS2.0を使用して解析を行う。
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