2016 Fiscal Year Annual Research Report
周極域亜寒帯林の構造変化と気候変動:林分構造復元法による過去約150年間の解析
Project/Area Number |
26257407
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大澤 晃 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (90288647)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安江 恒 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (00324236)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 周極域亜寒帯林 / 構造変化 / 気候変動 / 林分構造復元法 |
Outline of Annual Research Achievements |
7月中旬に、平成27年度に実施できなかった中央シベリア調査を行った。トゥラ及びプトラナ山地を一部ヘリコプターを借り上げることによって訪れ、合計6林分の林分測定及び樹木サンプル採取を行うことができた。8月上旬にはエストニア海岸林を訪問し、追加の林分調査と樹木サンプル採取を行った。主として樹木の幹コアサンプルが未採集だった樹木にはしごをかけることにより、いろいろな地上高から幹のコアサンプルを採取した。9月上旬から中旬にかけては、カナダ北西準州のWrigleyおよびWood Buffalo National Parkを訪れ、林分測定と幹サンプル採取を行った。 シベリアのサンプルは現在クラスノヤルスクの共同研究相手であるスカチョフ森林研究所に保管されている。平成29年度中にこれらのサンプルを日本に輸送し、解析を開始する予定を立てている。 周極域亜寒帯林の他の地域から採取したサンプルについては、サンプル採取のフェーズをほぼ完了し、解析を進めつつある。林分成長パターンと気候変動との間に関連があることがわかりつつある。今後、解析を進め、発見したパターンの一般性を確かめる作業を続けていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北欧、アラスカ、カナダ北西部における林分測定と樹木サンプル採取を計画通りほぼ終了し、これに加えて平成27年度に実施できなかった中央シベリア北部の森林調査を28年度に行った。前者3地域のサンプル分析を進めつつあり、特徴的な林分成長パターンと気候変動との関係をとらえつつある。解析をさらに進め、本研究最終年度の平成29年度中に最初の論文をまとめ報告する予定である。また、平成28年度に実施した中央シベリア調査によって得られた樹木サンプルは現在ロシアのクラスノヤルスクにある共同研究相手の研究所に保管されている。29年度中にこれらサンプルを日本に輸送し、解析を開始する計画である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は本研究の最終年度となるため、現地調査に関しては補助的なサンプルおよびデータ収集を行うにとどめる計画である。研究の主たる推進方策は、これまでに得られたデータとサンプルの解析を進め、29年度中に主な解析を終了し、最初の学術論文を仕上げて学術雑誌に投稿することを目標とする。
|