2016 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing state-space models that fit hierarchical networks to multitude of event sequences
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26280007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠本 滋 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60187383)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統計学 / 状態空間法 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)神経ネットワーク上の発火信号の伝播のように,不均一ネットワーク上をツイートなど時間的に短時間のメッセージやイベントが伝播する系を考え,その系の中でイベント発生が非定常揺らぎを起こす条件を調べた.そこで起こりうる非定常揺らぎをさらに活性化したり,または逆に抑制したりするための制御方法を提案した(Onaga and Shinomoto, Scientific Reports 2016).この段階では発生モデルを検討しているが,実際に計測されたイベント時系列を解析することを次のプロジェクトとして計画している. (2)サル,ネコ,ラット,マウスなどの覚醒している状態の大脳皮質から計測された神経スパイク時系列の時間的パターン特徴を調べた.発火頻度には動物種に応じて大きな差がみられるが,発火不規則性については動物種に依らず脳の機能領野に強く相関していること,また異なる動物種の同一機能領野の間に共通性がみられること,を明らかにした(Mochizuki et al., Journal of Neuroscience 2016).この解析は単一神経細胞からの信号解析ではあるが,ネットワーク内の神経細胞から発している信号に共通性が見られることから,ネットワークの信号発生メカニズムには機能領野による違いがあり,またそれらに種を超えた共通性があるということが示唆される. (3)神経発火頻度の変化において離散状態を変遷することがメタボリックコストを低く抑えることとも整合していることを示した(Kostal and Shinomoto, Mathematical Bioscience and Engineering, 2016).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内容は変化がみられるが,それもこれまでの研究が大きく進展をとげた結果である.論文の内容や室に関しては予想以上に成果が上がったと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
ニューロン発火時系列からシナプス結合を推定する研究を推進する.結合に要する推定時間の評価のためにシミュレーションによる検証を行い,それを現実のデータに適用し,その総合的研究を論文にまとめる.一般化線形モデルを用いて系内部興奮の程度を評価し,外部刺激と分離することを試みる.この研究の論文も執筆する.
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Causes of Carryover |
28年度としては多めに使用した.残額は翌年度に使用したい.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度はPCの購入を予定している.
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Research Products
(8 results)