2017 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing state-space models that fit hierarchical networks to multitude of event sequences
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26280007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠本 滋 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60187383)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統計的因果性の解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模イベントデータの解析の準備として神経データとは異なるがシリアの複数の都市の死者数データの解析を行い論文「Correlations and forecast of death tolls in the Syrian conflict. K. Fujita, S. Shinomoto, and L.E.C. Rocha, Scientific Reports (2017) 7:15737.」を発表した.この研究では,まず参照データとしてイギリスの都市の死者数を解析したところ,それらはほぼ正規分布に従うこと,数は系統的な季節変動を示すが,都市間には因果的相関はないことを確認した.それに比べてシリアの都市の死者数は,まず対数正規分布に近く,tailの長い分布を示すことを確認した.これは,戦闘によって死者数が大きく変動することを示している.予想を超えた結果は,都市間に統計的因果的相関があることであった.これは戦闘において攻撃に特定のパターンがあり,その結果都市間に1-2日の時間差をともなった因果的影響がみられることを示している.この因果的相関を解析することによって人々が戦闘に巻き込まれることを軽減することができるという可能性が考えられる.今回行った解析は社会的な重要性があることを示すことができたが,この解析そのものは一般性が高く,実は同様の解析を神経系の発火現象の解析にも応用できて,神経信号の伝播を解析する際の助けにもなると考えている.現在その方向の発展を検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経系の研究に関してはまだ準備中ではあるが着実に進展している.今年度は派生的な研究論文や総合報告などが出版されたので論文出版という方面でも一定の成果がでている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究題材は増えており,論文執筆も進んでいるので,研究は順調に進んでいると考える.
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Causes of Carryover |
29年度は旅費を低めに抑えたが30年度は多めの支出が予想される.
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Research Products
(8 results)