2018 Fiscal Year Annual Research Report
Open pub/sub messaging platform on the Web addressing flash crowds
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26280030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡部 寿男 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (20204018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 素典 国立情報学研究所, 学術基盤課, 特任教授 (30268156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インターネット高速化 / ネットワークアーキテクチャ / アクセス制御 / ウェブシステム / コンテンツ管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
P2Pファイル共有ネットワークと、SNSなどメッセージ型Webサービスとは、いずれもインターネット本来の自律分散の考え方に基づくが、前者が書き換えのない静的なコンテンツをすべての参加者に対して共有するのに対し、後者はメッセージの作成者あるいは第三者が管理するグループのメンバーに対して限定的に共有されること、またコメントや「いいね!」などメッセージに紐づく動的なアクションがなされることという相違がある。古典的なネットニュースではニュースグループとしてメッセージのアクセス制限の機構はあったもののサーバ間での暗号化は行われていない。本研究では、P2Pで共有しつつデータの内容をグループ外のメンバーに対して秘匿するメカニズムとして、秘密分散共有ならびにP2Pマルチキャストにおける動的鍵配信の仕組みを応用する手法を提案し、詳細化した。またメッセージに対する処理を、内容を秘匿したまま近隣のノードに負荷分散する仕組みについて、具体的な実装方式を検討した。 また、なりすましによる偽情報発信を防ぎつつ匿名性を担保する方法として、暗号通貨であるBitcoinの匿名性を高めるためにゼロ知識証明を利用するZerocoinの技術を応用した方式の詳細検討を行った。 並行して、基盤となるWebサーバが高負荷時にサービス不能になることを避けるためのHTTP/2の活用やIETFで標準化がすすめられているQUICを用いることの利点、認証などセキュリティ上の課題についても詳細に検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画では最終年度である2018年度はこれまで要素技術として研究してきた成果をまとめた形でソフトウェアとして実装する計画であったが、実装にあたって調査を行った結果、既存の研究の成果やソフトウェア実装を取り入れた方がよいことが判明し、実装仕様の見直しの必要が生じたため、実装作業に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間の1年の延長を申請し認められたので、遅れを取り戻して当初計画以上の成果を挙げるべく、詳細仕様の確定と実装、ならびに成果の取りまとめと論文投稿などに注力したい、
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Causes of Carryover |
研究の遅れに伴い、本来最終年度に予定していた実装ならびに成果展開に伴う作業、成果発表に関する旅費などの支出が繰り越される形となった。
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