2014 Fiscal Year Annual Research Report
意味属性と2D入力を含む多様なクエリ下での高精度な三次元物体検索の研究
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26280038
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
青野 雅樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00372540)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 3D形状類似検索 / オントロジー / アノテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
【項目1:類似形状の多い3D形状データベースでの高精度3D検索手法の開発】 Purdue大学が作成した機械部品データベース(Engineering Shape Benchmark (ESB))のように類似形状物体の多い3D形状データベースに対する検索では、「穴」「突起」「凹凸」などの正確な形状を把握できず、高精度を達成することが難しい、という問題を有している。そこで、「穴」「凹凸」などの微細な形状の識別性能に優れた特徴量HSRD(Hole and Surface Roughness Descriptor)を開発し、高精度な3D→3D検索手法を確立した。目標としていたESBを用いてP@1評価基準で90%の精度を達成した。 【項目2:2Dスケッチからの高精度3D検索手法の開発】 検索のクエリをスケッチとする場合、検索対象物が目の前になくても検索が可能である。しかし、スケッチに描かれる線画は一般に不完全で、デフォルメされている場合が多い。大量の2Dスケッチを学習素材として、未知な2Dスケッチから3Dを検索するタスクは、SHREC(Shape Retrieval Contest)と呼ばれる3D形状類似検索の国際コンテストで2012年から開始されている学術的課題である。代表者は2013年から参加し、最初は世界第三位であったが、昨年度、OPHOG (Overlapping Pyramidal Histogram of Oriented Gradients)法を開発し、これに多様体ランキングを組合わせる新手法を開発し、SHREC2014のスケッチタスクで世界第一位となった。 【項目3:2D画像への意味付与手法の開発】 2Dスケッチならびに2D写真等からの3D検索手法開発のために、2Dの画像自体への意味付与技術を開発することが重要である。そこで、画像へのアノテーション・タスクを有するImageCLEF(http://www.imageclef.org/)と呼ばれる多言語での画像検索コンテストに参加し、オントロジーという意味体系を利用する新手法で世界第一位の精度を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
【項目1】では、HSRD特徴量を開発し、国際学会で採択され発表した。 【項目2】では、スケッチから3D検索という困難な課題に対してOPHOG特徴量を開発し、多様体ランキング手法と合わせて、国際コンテストSHREC2014のスケッチタスクで世界最高性能を達成した。この結果は、コンテストのオーガナイザが中心となって執筆したElsevierの国際論文誌でも紹介されている。 【項目3】では、画像のアノテーションの国際コンテストで独自のオントロジーを最大限活用した新手法で、東大やヨーロッパの強豪がひしめく中、世界最高性能を達成した。
以上の理由から、当初の計画以上に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
【項目1】の機械部品に対する新特徴量はそれ自体、学会でも表彰を受けた手法であるが、機械部品のCADメーカーの現場での実用性を考えると、まだ改良の余地がある。たとえば、微細な「突起」があるかないかの違い、「穴」があっても、その「穴」の位置や数の違いなど、よりクエリに近い形状を検索しようとすると、まだそこまでの精度が出ていない。そこで、細部にわたる高精度を目指す。 【項目2】のスケッチから3D検索は、誇れる精度を達成したが、2D入力でもうひとつチャレンジングなのが、1枚の2D写真から被写体に含まれる3Dの形状類似検索である。こちらは、スケッチよりも、そもそも入力されるデータは正確であるが、色やテクスチャ、光源による光沢感などの影響で通常の特徴量抽出ではうまく検索できない。そこで、2D写真からの3D形状類似検索のより高性能な手法を開拓したい。 【項目3】のアノテーション手法は、対象データである画像に単語列を付与する、というアノテーションでは高い性能を得ることができたが、2015年度以降のImageCLEFアノテーションタスクでは、画像のどの領域に、対応するアノテーションとなるオブジェクトがあるか、という領域指定までが要求される。そのため、領域指定を含む意味属性付与手法を開発し、画像だけでなく3Dモデルに対しても適用できるよう研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
博士後期課程学生の研究補助(人件)費で割当予定であったが、大学院博士前期課程の学生(留学生)が博士後期課程に進学せず帰国し、その人件費分が余ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度(平成26年度)に論文を投稿し、採択が決まっていた別の博士課程学生の(平成27年度に開催される)国際会議出席のための旅費に割り当てる予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] A comparison of 3D shape retrieval methods based on a large-scale benchmark supporting multimodal queries2015
Author(s)
Bo Li, Y. Lu, C. Li, A. Godil, T. Schreck, Masaki Aono, M. Burtscher, Q. Chen, Nihad Karim Chowdhury, B. Fang, H. Fu, T. Furuya, H. Li, J. Liu, H. Johan, Ryuichi Kosaka, Hitoshi Koyanagi, R. Ohbuchi, Atsushi Tatsuma, Y. Wan, C.i Zhang, C. Zou
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Journal Title
Computer Vision and Image Understanding
Volume: 131
Pages: 1,27
DOI
Peer Reviewed
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