2016 Fiscal Year Annual Research Report
図地の知覚と皮質におけるその群表現 --- 自然光景の理解に向けて
Project/Area Number |
26280047
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
酒井 宏 筑波大学, システム情報系, 教授 (80281666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 ゆか子 大阪大学, 生命機能研究科, 日本学術振興会特別研究員 (70565043)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知科学 / 神経科学 / 脳・神経 / 画像・文章・音声等認識 / 心理物理実験 / 知覚 / 視覚 / 計算神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚の目的は,光景中の何処に何があるかを知ることにある。図地分離は,光景を理解する上で基礎となる根源的な問題である。本研究は,複雑な自然光景のなかで背景(地)から物体領域(図)を分離する視覚メカニズムを明らかにすることを目的とする。 H28年度は,電気生理実験から得られた,自然画像に対する視覚皮質(V4)にある神経細胞の応答を解析し,その機能の理解を本格的に実施した。定量的な知覚対応をもつ系統的な自然輪郭刺激を呈示して,多数(計約2,000個)の細胞からの同時記録を得ることに成功した。Visual Response, CRF位置等の制約を満たす,図地分離に関連する応答を示す細胞を200個程認めた。刺激の位置を系統的に制御した時の反応から,細胞が図または地に対する選好性を示すかどうかを総合的に解析した。さらに,刺激呈示前,呈示後0-100ms,100-200ms の時期に分けて,BO,・FG 選択性および同期について解析し,この結果から神経機構の制約について考察した。神経応答は50msでFG変調を示した。このことは,feed-forward が重要な役割を果たしていることを示唆する。 計算実験を並行して行って,FG選択性を示す細胞群の反応の統合による図地表現について解析を行った。単一のFG選択性細胞の示す自然画像に対する図地識別の正答率は55%程度であったが,30個程度の細胞群は80%程度の正答を示し得ることが判った。この結果は,V4細胞は集団として図地を表現していることを示す。 自然画像を呈示した時の視線追跡実験を本格的に実施し,BO判断,FG判断の差異について解析した。知覚は両者に差がないが,眼球移動は異なっていることが判った。このことは,BOとFGが異なる神経基盤を有することを示唆する。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)