2015 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚末梢および脳幹による信号抽出の生理機構：コウモリをモデルとした研究
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26280064
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| Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
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Principal Investigator |
力丸 裕 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 政策医療企画研究部, 研究員 (90260207)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船曳 和雄 公益財団法人先端医療振興財団, 先端医療センター研究所, 上席研究員 (00301234)
松尾 行雄 東北学院大学, 教養学部, 教授 (40323117)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 応用光学 / 生物・生体工学 / 神経科学 / エコーロケーション / 移動体通信 / 混信回避 / 内耳有毛細胞 / 国際情報交換（米国・中国・台湾 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，H26年度に，聴覚系末梢での微弱信号抽出機能を探るために，アブラコウモリ(Pipistrellus abramus)で，有毛細胞由来の蝸牛マｲクロフォン電位(CM)，蝸牛神経由来の複合活動電位(CAP)を覚醒状態で計測した結果， CAPでは，FMパルスの端末部分の周波数40 kHzに対する感度が高く，エコーの微弱信号を増幅する機能が存在することが分かった．この機構で，飛行中の昆虫の羽ばたきを検知する感度が高くなっていると解釈できる．
同じくH26年度に，コウモリ聴覚系脳幹での音情報抽出機構を脳顕微内視鏡で解明するために，予備実験としてマウスの下丘での聴覚機能・構造計測を行った．細い光ファイバー(外径300µm，6000本束)から成る脳顕微内視鏡をマウスの下丘に挿入し，音刺激に対する反応をカルシウム感受性色素Oregon greenの励起反応を用いて，輝度変化として記録した．この結果，ホワイトノイズ(white noise burst)やトーンバースト(tone burst)に対する反応を記録することができ，同一刺激に対して，空間的に異なった複数の箇所が同時に反応していることが分かった．また，低い周波数に反応する部位は脳表に近い背側部分で，周波数が高くなるにつれて反応する部位が腹側に移動することも分かった．
マウスでの計測実験に基づき，H27年度はオオクビワコウモリ(Eptesicus fuscus)の下丘での脳顕微内視鏡を用いた計測を開始した．その結果，コウモリの下丘の活動の時空間的変化を計測することに成功した．各々のファイバーの径である300マイクロメートルの空間分解能で，下丘内のカルシウムイオンの活用状態を知ることができた．しかし，可視領域面をスキャンするために時間を要し，1データポイントを取得するのに50ミリ秒も必要であることが分かった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アブラコウモリ(Pipistrellus abramus)の聴覚系末梢における微弱エコー信号抽出機構を解明するために蝸牛マイクロフォン電位と蝸牛神経複合活動電位の計測に成功した．その結果，微弱エコー信号を検知可能にすべき信号増幅機構が内耳と蝸牛神経に存在することが示唆された．
さらに，オオカグラコウモリ(Eptesicus fuscus)の下丘での神経活動の計測に電気信号を同時に記録可能な脳顕微内視鏡を用いて成功した．これで，エコーに対する下丘内の時空間反応を光学的および電気的に同時に得る下準備が整ったことになる．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は，エコー信号に対する，時空間反応をコウモリの下丘内で計測し，同時計測された電気神経信号と比較する．時間分解能を改善する工夫を施し，電極によって計測される電気神経信号と光計測によるカルシウムイオンの時間的変化を比較する．具体的には，これまでの面をスキャンする方式を変更し，ラインをスキャンする方式を試みる．これにより，電極での記録と比較可能な時間分解能を得ると予測している．
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| Causes of Carryover |
研究代表者と研究分担者が所属機関を移籍し、機材の購入計画が一年ずつ延期されたため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
顕微内視鏡用のレーザー光源や信号増幅器を購入する計画。
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[Presentation] Neural substrate for sound symbolism: Visual size judgment with combinations of voiced and voiceless plosives with a vowel “o” or “i”.2015
Author(s)
Itagaki, S., Murai, S., Kobayasi, K., Auracher, J. and Riquimaroux, H.
Organizer
Neuroscience 2015
Place of Presentation
McCormick Place, Chicago, USA
Year and Date
2015-10-17 – 2015-10-21
Int'l Joint Research
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[Presentation] Changes in spectro-temporal features of echolocation pulses emitted by flying FM bats (Miniopterus fuliginosus) in reaction to FM jamming sounds.2015
Author(s)
Hase, K., Miyamoto, T., Watanabe, Y., Riquimaroux, H., Ohta, T. and Hiryu, S.
Organizer
Neuroscience 2015
Place of Presentation
McCormick Place, Chicago, USA
Year and Date
2015-10-17 – 2015-10-21
Int'l Joint Research
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