2015 Fiscal Year Annual Research Report
声の生体検知を用いたセキュアな話者照合システムの実現
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26280066
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
山岸 順一 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (70709352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 知子 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10370090)
越前 功 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (30462188)
小野 順貴 国立情報学研究所, 情報プリンシプル研究系, 准教授 (80334259)
塩田 さやか 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (90705039)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知覚情報処理 / 音声情報処理 / 話者照合 / 音声合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「声の生体検知」メカニズムの先駆的導入によるセキュアな話者認証システムの構築を目的とする。現在、話者認証システムの市場導入が進む一方で、音声合成および声質変換技術の高度化による声の詐称が可能となりつつあり、実運用上の重要な課題となっている。我々は、スピーカーでは再現不可能な発話時の空気流をマイクロホンで検出する「声の生体検知」メカニズムの確立を目指す。本研究成果により、既存システムを改変することなくセキュアな話者認証が可能になり、声という通常使用している手軽な生体情報を用いた個人認証が、多様な音声入力 付き情報端末や携帯電話による情報サービスに適用され、安心安全な情報化社会の実現に資することが期待される。 平成27年度は、計画通り、国際会議におけるVoice Anti-spoofing challengeのスペシャルセッションの開催、提案生体検知手法の精度をさらに向上させる技術の検討、提案ポップノイズを利用した声の生体検知手法を既存の話者認識系へ導入することを行い、成果を上げた。 (1)Voice Anti-spoofing challengeのスペシャルセッションは、本研究の初年度に構築された大規模詐称者コーパスをベースに行われたコンペティションであり、2015年9月、ドイツのドレスデンにおいて、国際会議Interspeech 2015の一部として開催された。全世界30以上の大学、研究組織、企業からエントリーがあり、スペシャルセッションも大変盛況であった。 (2)提案ポップノイズを利用した声の生体検知手法の改善は、マイクロフォンアレイ技術と組み合わせマイクロフォンを2本利用するケースと、低域の特徴を取り出す手法とを組み合わせ大幅な性能改善を行った。また、JNASコーパス上で構築された既存の話者照合システムとも統合し、総合的な評価も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国際会議において開催されたVoice Anti-spoofing challengeのスペシャルセッションは大変好評であり、早くも2017年度に第二回目のスペシャルセッションを開催することが確定している。その後の国際会議やワークショップでも関連する発表が多くあり、当初の計画以上の影響力を継続して発信していることがわかる。来年度にIEEEの難関ジャーナルにおいて、特集号が組まれることも確定している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も計画通り研究を進める。実施計画は以下の通りである。 (1)生体検知及び話者照合法の改善:今年度も提案生体検知手法の精度をさらに向上させることを検討する。話者照合では、経年変化やチャネル変化への頑健性の評価も重要である。そこで、初年度に収録した話者を再度異なる環境で収録し、これらの話者の新規データに対しても、生体検知及び話者照合が可能であることを実証する。その際、カーネルやディープラーニングを使ったより高精度な話者識別方法も導入し、話者照合法自信を改善することも併せて検討する。 (2)さらなる高度な声の詐称データの収集:初年度に10種類の音声合成方式、声質変換方式等を利用して大規模詐称者コーパスを世界に先駆け構築し、この研究分野のベンチマークコーパスとして無料公開した。しかし、音声を合成する技術も日々進化しており、セキュアな話者認証システムを提供するためには、これらのコーパスにも、新規のデータを常に追加する必要がある。そこで、今後はさらなる高度な声の詐称データの追加収集を行う必要がある。 (3)より汎用性の高い方法:最後に、言語や機材への依存性を取り除けるよう、より汎用性の高い手法も検討する。
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Causes of Carryover |
話者照合では経年経年変化に対する頑健性の検証も重要であり、生体検知においても頑健性の評価は必須である。そこで以前収録した話者を再度収録する必要があると判断し、一部助成金を繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
経年経年変化に対する頑健性の検証のため、以前収録した話者を再度収録するための費用として使用する予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Anti-Spoofing for Text-Independent Speaker Verification: An Initial Database, Comparison of Countermeasures, and Human Performance2016
Author(s)
Zhizheng Wu, Phillip L. De Leon, Cenk Demiroglu, Ali Khodabakhsh, Simon King, Zhen-Hua Ling, Daisuke Saito, Bryan Stewart, Tomoki Toda, Mirjam Wester, and Junichi Yamagishi
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Journal Title
IEEE/ACM Transactions on Audio, Speech, and Language Processing
Volume: 24 (4)
Pages: 768, 783
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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