2014 Fiscal Year Annual Research Report
能動触知覚の原因現象解明とモデル化による内部構造と材質のバーチャルリアリティ
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26280072
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 晶一 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (10323833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三武 裕玄 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (30613939)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 力触覚インタラクション / 変形シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
Oriented Particleというグラフィクス分野で利用されている計算量の少ない変形計算アルゴリズムが存在する。Oriented Particleによる変形シミュレーションに、表面メッシュとの接触判定とProxy法による力覚レンダリングを統合し、Oriented Paticleを用いた力覚インタラクションを実現した。有限要素法では大変形を扱うためには剛性行列の更新が必要になるため、GPUを用いたり、事前計算により変形の自由度を減らしてシミュレーションを行うことなどが必要だったが、CPUのみ、事前計算なしで複雑な形状の柔軟物のシミュレーションと力覚インタラクションを実現できることを確認した。 剛性や粘性などの物性パラメータによって力覚レンダリングが不安定になることが分かったので、今後、物性パラメータによらず安定な力覚レンダリング手法の開発を進めたい。 Oriented Patricleと有限要素法との関係について検討を続けているが、Oriented Particleの更新手続きには、極分解により回転成分を分離するなどといった、微分方程式の差分化とは異なる手続きが含まれるため、数式の対応を見出すことができていない。 今後は有限要素法と単純に対応させることは難しいと考え、まずOriented Particleを何らかの物理モデルの時間発展を求めるアルゴリズムだと考えて物理モデルを見つけ出し、その物理モデルと連続体力学を比較することを計画している。 計測については、高速度カメラを1台購入し、振動計測ができる環境を構築した。今後、柔軟物の振動計測を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Oriented Particleによるシミュレーションは順調に進んでいるが、有限要素法との数式での単純な比較が困難であることがわかったことと、Oriented Particleに対応する物理モデルが考案できたことから、物理モデルとの比較という新たな手法により、Oriented Particleのパラメータを物性パラメータから求めるという計画にないが有効性の高い手法の研究を進めている。 また、柔軟物のシミュレーションと力覚レンダリングの統合方法工夫することで安定性の高い力覚インタラクションが実現できる可能性があり、この研究も進めている。 一方で振動計測との比較については、計測機器の調達に時間を要したことがあり、若干遅れている。 これらを総合し、計画どおりではないが、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
接触と変形のシミュレーションでは、まず微分方程式を立て、そのシミュレーションを行うと考えると計算量の増大が避けられないことがあるが、物理法則から導かれる拘束条件を要素間に考え、これらを満たす運動を拘束ソルバーにより解くと考えると、余分な計算を無くすことができる。 Oriented Particleにはもともと物理モデルはなくアルゴリズムだけが提案されているが、物理シミュレーションとして考えるならば、拘束条件化とモデルの簡略化の両方が行われていると考えられる。これを解明して、物性に基づくシミュレーションを可能にすることが是非必要だと考えている。また、力覚レンダリングの安定化についても、より詳しく評価して、提案していきたい。 柔軟物内での振動の発生と伝播のシミュレーションについては、計測を行い、できるだけ単純なシミュレーションモデルにより再現することで、研究を推進する。
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Causes of Carryover |
高速度カメラの購入などに予想以上に時間がかかったため、振動計測実験の開始が遅れ、関連する実験材料などの購入ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高速度カメラを用いた振動計測実験のための実験材料費などに使用する。
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Research Products
(5 results)