2015 Fiscal Year Annual Research Report
メラノプシン神経節細胞の視知覚処理における機能の解明
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26280103
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
辻村 誠一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (10381154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健 福岡女子大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20326474)
太田 英伸 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (80422103)
橋口 周平 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (40295275)
山下 和香代 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (70580067)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メラノプシン / 錐体 / 桿体 / 照明 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は昨年度に引き続き瞳孔測定を実施した。実験では錐体細胞のみ刺激し、メラノプシン神経節細胞を刺激しない錐体刺激、および錐体細胞とメラノプシン神経節細胞のどちらも刺激するLight flux刺激を用いた。この2つの刺激の違いはメラノプシン神経節細胞への刺激の有無だけであるので、その反応の差はメラノプシン神経節細胞に起因することが予想される。その結果の一部を平成27年6月に東京で開催された国際色彩学会(AIC)および9月に英国オックスフォードで開催された国際瞳孔学会(IPC)で発表した。本年度も引き続き測定を実施する予定である。さらに、心理物理学実験のメラノプシン神経節細胞のコントラスト知覚処理における機能解明実験については、3月に神戸で開催された国際生理人類学会、および7月に日本光医学光生物学会での招待講演を始め、7月および1月に開催された日本視覚学会および9月に仙台で開催された国際色覚学会(ICVS)で発表した。平成27年度の研究成果は学会発表7件である。学会発表7件中、3件は招待講演であった。さらにマウスの免疫学的な影響を調べるプロジェクトを開始した。マウスの非撮像系経路機能の解明のために、概日リズム調節機能に着目し、実験のためのマウス動態解析プログラムやマウス用人工照明システムの構築を完了し実験を開始した。結果の一部は2016年4月に開催される九州山口沖縄リズム研究会で発表の予定である。また、視覚系への影響についても連携協力者に高知工科大学の篠森先生を加え網膜から視認性まで検証する予定である。先行研究で開発した高輝度プロジェクタを光源として用いる多原色光源装置を開発し、高知工科大においても視認性について測定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展している。平成29年度に実施予定であった「メラノプシン神経節細胞の明るさ情報符号化処理への影響」に関して、マウスの非撮像系経路機能の解明のために、概日リズム調節機能に着目した。概日リズム調節機能測定実験のためにはマウスの動態解析プログラムやマウス用多原色照明システムの構築を必要とするが、その設計および開発も完了した。現在、マウスのアクトグラムを測定中で有り、その結果の一部は2016年4月に開催される九州山口沖縄リズム研究会で発表の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
3台のプロジェクターベースに新たな多原色光源装置を設計開発した。この光源を用いてヒトを対象とした実験心理学的手法を用いた視覚実験、瞳孔の対光反射実験を実施し、結果を蓄積している。さらに一般的な光環境の構築のために、光による概日リズムの調節機能に着目し、マウス用多原色光源刺激装置を設計、開発した。マウスのsleep-wakeサイクルを測定するために、動態解析プログラムを開発し、すでに測定を開始している。今後はこれら複数の実験結果をまとめると同時に、結果を詳細に解析し、照明システムに対する生体への影響について研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
3011円は物品費の購入価格の変動等による残額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用する予定である。
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