2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26280105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五斗 進 京都大学, 化学研究所, 准教授 (40263149)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抗原変異 / 比較ゲノム / 遺伝子ファミリー / 進化 / 病原微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、抗原変異遺伝子ファミリーの中からマラリア原虫など複数の近縁生物種で保存されているものに着目して系統解析を行い、その機能分化についての手がかりを探索した。抗原変異遺伝子ファミリーは生物種によってそのメンバー数や配列の多様性が異なる。 そこで、生物種間による抗原変異の仕組みの違いを調べるために、複数種のマラリア原虫から抗原変異遺伝子ファミリーを選び、これらの系統関係を解析した。 全ゲノムが決定され、KEGG (Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes) データベースに登録されている病原微生物に着目し、他のグループによってすでに解析が進められているマラリア原虫の抗原変異遺伝子ファミリー Plasmodium interspersed repeats (pir) について、生物種を増やしてデータを整備し、保存部位について解析を行った。具体的には、ヒトに感染する Plasmodium falciparum の3つの株に加え、霊長類に感染するマラリア原虫3種と齧歯類に感染するマラリア原虫3種の pir 遺伝子ファミリーについて、KEGGで計算されたオーソログ、パラログ情報を元に候補遺伝子を抽出し、既知のアミノ酸配列モチーフの有無を元にその関係をまとめた。 同様の手法は、他の遺伝子ファミリーについても適用することができるため、平成26年度は、マラリア原虫と同じアピコンプレクサ原虫であるTheileria equi(KEGGでは Babesia equi)の equi merozoit antigen (EMA) 遺伝子ファミリーをはじめ、5つの遺伝子ファミリーについてもKEGGデータベースからオーソログ遺伝子を抽出し、保存モチーフの探索を行った。これらの結果は抗原変異データベースであるvarDBに反映する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた pir 遺伝子ファミリーの解析はデータの収集および保存領域の解析については、ほぼ順調に進んだが、超可変部位の解析は予想以上に変異が大きく手作業での解析も含めて時間がかかっている。pir遺伝子ファミリー以外のデータ収集については順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に引き続き、病原性原生生物の抗原変異遺伝子配列の収集と系統解析、特に可変部位を含めた解析を進めるとともに、上流塩基配列とコドン利用頻度を解析し、発現機構の解明を目指す。 pir 遺伝子ファミリーなど抗原変異に関与する遺伝子は、一度に一つの遺伝子のみを発現するという特徴を持つため、ファミリー内の遺伝子発現を制御している何らかの機構が存在するはずである。すでに varDB と KEGG で各電子とゲノム上の位置情報は対応付けられており、各遺伝子の上流配列、コード領域、非コード領域を取得することは比較的容易であるので、これらの配列に対して、各遺伝子の発現を特徴付けるモチーフを探索する。モチーフ探索には MEME プログラムを適用する予定である。
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Causes of Carryover |
雇用予定であった研究員の雇用期間が予定よりも短くなったため、人件費をすべて補助金分でカバーできた。それにより、購入予定であったPCも研究室で既に購入していたものを使用できたため、物品費も抑えることができた。その分、データ整理の作業は若干遅れることになったが、研究代表者も作業に加わりカバーした。また、論文作成に予想以上に手間取り、投稿料として予定していた予算を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、研究員の雇用時間を増やし、PCも1台購入する。引き続き論文投稿準備を進めるとともに、国内外での学会発表も行い、論文投稿料と学会参加費として使用する。
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