2015 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病患者の家族看護者のストレス軽減を支援する情報技術に関する研究
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26280116
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
山下 直美 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, その他部局等, 主任研究員 (70396141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛岡 英明 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (10241796)
工藤 喬 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10273632)
平田 圭二 公立はこだて未来大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30396121)
荒牧 英治 奈良先端科学技術大学院大学, その他部局等, 准教授 (70401073)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メンタルヘルスケア / 家族介護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病患者の家族介護者を支援することを目的に,2つの調査を実施した.一つ目の調査によって,患者の気分の上下や予期せぬ振る舞いなどに対処する家族介護者の介護活動の現状とニーズを明らかにした.この調査結果を踏まえて介護記録Webアプリ「みまもメイト」を開発した.二つ目の調査によって,家族介護者がみまもメイトを6週間にわたって利用することによって,家族介護者のうつ病患者に対する関わり方や患者との人間関係がどのような影響を受けたかを調べた.利用後のインタビュー調査から,家族介護者がみまもメイトを利用することによって,自身の介護活動を客観的に見つめ直す効果がある(第三者視点の導入)ことが分かった.さらに興味深いことに,みまもメイトは患者,病気,家族介護者の間の関係を変化させ,これよって,家族介護者とうつ病患者間のコミュニケーションを改善する効果があることも分かった.具体的には,みまもメイトを用いることによって,家族介護者単独で病気を抱える患者に対処するという構図(家族介護者 vs. 患者+病気)から,患者と家族介護者が協調しながら病気に立ち向かうという構図(家族介護者+患者 vs. 病気)へと変化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初は,家族介護者のストレス低減につながる四つの機能の実装を提案していた.昨年度までに,インタビュー調査によってニーズを把握し,このニーズをもとにアプリの開発を行っていた.直近の一年は,アプリのホームユース調査を実施し,インタビューを実施できた.また,インタビューから,予想を大幅に超えた好意的な反響を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
ホームユース調査後のインタビューから,アプリの改善点や更なる要望が出てきたので,それらを実装し,再び6週間のホームユース調査を行う予定である.
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Causes of Carryover |
今年は論文化に力を入れていたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システムの改良・拡張に必要な開発費(人件費)やホームユース調査後のインタビューの書き起こしに利用する予定である.
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Research Products
(4 results)