2014 Fiscal Year Annual Research Report
拡張可能な学習支援システムの基本アーキテクチャとグループ学習への応用の研究
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26280128
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
仲林 清 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20462765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 容介 放送大学, 教養学部, 准教授 (00435702)
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (80212786)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習支援システム / システムアーキテクチャ / グループ学習 / 教材オブジェクト / 通信プロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,eラーニングにおける自己学習やグループ学習などの多様な学習形態を統合的に支援し,機能追加やカスタマイズに柔軟に適応可能な機能拡張性と,コンテンツや学習方略記述を含むシステムの相互運用性を両立可能な学習支援システムの構成法に関するものであり,特に,システムの構成要素である教材オブジェクト間の通信インターフェースに関する基本アーキテクチャの確立を図るとともに,動的な学習リソースの追加を伴うような実用的なグループ学習環境への応用を図るものである. 今年度は,研究項目1の「汎用的な教材オブジェクト間通信インターフェースの検討・設計」について,ツリー構造型に配置された教材オブジェクト間の通信プロトコル階層・個別通信プロトコル・通信メッセージ語彙の3点について設計・検討を行った.通信プロトコル階層は,最下位から,通信を物理的に実装する物理層,親子関係で直接接続された教材オブジェクト間で通信する隣接通信層,ある特定の目的を持った処理を行う機能処理層,その処理の語彙を提供する語彙層,から構成される.ここで最も重要なのは,機能処理層と語彙層の標準化である.自己学習では,機能処理層で,「コマンドリスト生成」,「状態伝搬」,「コマンド置換」,「コマンド実行」,「提示可否」の5つの処理のためにそれぞれ定型的な通信パターンとそこで用いる語彙を定めている.今年度は,机上検討で,作問学習を事例に,グループ学習で必要と考えられる「他学習者の状態を条件とする分岐」,「他学習者との進捗の同期」,「他学習者の状態を条件とする強制移動」の動作が,自己学習で定義された通信パターンを用いて実現できる見通しを得た. 研究項目2の「実用的グループ学習環境への適用検討・実装」については,作問学習に関する要求機能を整理し,教材オブジェクトの動的生成やディスカッションの制御などの機能を一部実装・検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,作問学習を事例にグループ学習で必要と考えられる基本機能とそのための通信パターンの検討を行い,システムの実装に着手できる状態になっているため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目1の「汎用的な教材オブジェクト間通信インターフェースの検討・設計」については,前年度の検討成果を受けて,研究項目2のグループ型作問学習システムの実装に反映し,見通し通りの動作が行われることを検証する.検証の結果を受けて,再度,通信インターフェースのブラッシュアップを行う. 研究項目2の「実用的グループ学習環境への適用検討・実装」については,作問学習に関する先行研究から要求機能を整理し,本研究の枠組みの中での実装を検討する.作問学習に必要な教材オブジェクトの動的生成やディスカッションの制御などの機能を,昨年度,一部実装・検証しており,今年度は,研究項目1の検討結果に基づいて実装を見直し,実際の授業での検証実験を行う.さらに,この実装結果から得られる新たな要求条件について研究項目1の検討に適宜フィードバックし,これを繰り返すことで双方の研究項目の完成度を探索的に高めていく. 研究項目3の「Webアーキテクチャ技術にのっとった教材オブジェクト間通信方式の検討」については,上記,通信プロトコル階層の物理層に関して,近年注目を集めているExperience APIなどを活用して,教材オブジェクトを実装言語に依存しない形で実装する方法を検討する.
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Causes of Carryover |
旅費・物品費について,所属機関から支給される研究費を充当して一部をまかなったため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費については,打ち合わせの緊密化・研究成果発表機会の増加などに充当する.物品費については,必要な物品の購入に充てる予定であるが,年間途中で計画を吟味し,謝金などでの有効活用も検討する.
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Research Products
(6 results)