2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26281004
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
川合 美千代 東京海洋大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50601382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 北極海 / 窒素栄養塩 / 一次生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、当初の計画通り、定点観測と広域観測を実施した。また、時系列採水器と各種センサーを取り付けた係留系2系を海盆域に設置した。 まず、海洋地球研究船「みらい」による北極海における2週間の定点観測に参加し、窒素栄養塩およびプランクトン色素組成分析および顕微鏡観察用試料を採取した。観測の結果、表層水のリン酸塩およびケイ酸の濃度は比較的高いが、窒素栄養塩濃度は非常に低く、通常測定法では検出限界付近であることを確認した。今後、窒素栄養塩濃度のナノモルレベルでの測定を行い、詳細な変動を明らかにする。また、物理観測の結果やプランクトン試料の解析を行うことで、窒素栄養塩濃度変動と物理環境および生物環境との対応を明らかにする予定である。 また、カナダ沿岸警備隊の砕氷船による広域観測に参加し、栄養塩の広域分布を調べた。同時に、CTD、XCTD、流速などの物理観測、溶存酸素、溶存無機炭素、アルカリ度、クロロフィル濃度、酸素同位体比などの多項目化学観測、ネットによるプランクトン採取、氷厚観測などの多角的な観測が行われた。 同航海ではさらに、海盆域2点の表層付近に係留式の採水装置を設置した。また硝酸塩、クロロフィル、水温、塩分、濁度を測定するためのセンサーを併せて設置した。これらにより、1週間に1度の自動採水と継続的なセンサー観測を1年間継続することが可能である。H27年度9月に装置を回収し、採水された試料の栄養塩、塩分、アルカリ度、酸素同位体比などの測定およびデータの解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの観測を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度もカナダ沿岸警備隊の砕氷船観測に参加して広域観測を行うと同時に、係留系の回収を行う。
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Research Products
(1 results)