2016 Fiscal Year Annual Research Report
Variability in dissolved inorganic nitrogen in surface layer of the Arctic Ocean
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26281004
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
川合 美千代 東京海洋大学, その他部局等, 准教授 (50601382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 北極海 / 栄養塩 / 窒素供給 |
Outline of Annual Research Achievements |
北極海カナダ海盆に時系列採水器と他項目センサーを設置し、通年の観測を実施した。南北の2側点のいずれも、表層に海氷が存在するにも関わらず、光の入り始める初春に生物生産が始まることが分かった。しかし、その開始時期とピークの時期は北の点よりも南の点で約1か月早かった。この差は、緯度による光量の違いでは説明できなかったことから、海氷厚や海氷密接度などの影響を受けたものと考えられる。
春先の生物生産を支えるのは栄養塩であるが、夏季表層水では窒素栄養塩が枯渇しているため、何らかの方法で春までに窒素栄養塩を供給する必要がある。そこで、冬季の鉛直混合について調べるため、時系列採水器のサンプルの塩分と酸素同位体比を用いた解析を行った。その結果、南の点では結氷による塩分増加、北の測点では下層の水との混合による塩分増加がそれぞれ見られた。下層の水との混合は表層に栄養塩を供給することができるが、結氷のみでは栄養塩濃度は変化しない。つまり、同じような塩分増加がみられた場合でも、そのメカニズムによって表層への栄養塩供給が全く異なることが推察された。
北極海カナダ海盆における冬季の混合や栄養塩供給について現場の化学データから解析した例はほとんどなく、本研究で得られた知見は今後の北極海における生物生産や物質循環の予測において重要なものとなることが期待される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)