2014 Fiscal Year Annual Research Report
古細菌細胞膜脂質の分子レベル放射性炭素分析に基づく海洋DOC炭素循環の実態解明
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26281015
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
内田 昌男 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (50344289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (60318194)
内海 真生 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (60323250)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DOC / 古細菌 / 海洋 / 放射性炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(A)研究試料の採取、(B)分析方法の検討・確立、(C)微生物バイオマス(rRNA、細胞膜脂質分子)と群集構造組成,DOC,DICの自然レベル放射性炭素の測定と、表層海水に生息する微生物の炭素源(fresh carbonかold carbon)とその代謝(従属・独立栄養)の実態解明(D)実試料における極微量AMS14C 測定、E)14Cによる微生物利用DOC炭素量の試算をもとに、微生物バイオマスが炭素循環に果たす役割について定量的な検討を行うものとする。今年度は試料採取を行う予定だったが、試料採取で使用する装置の故障などがあり、サンプリングは来年度に持ち越すこととなった。その代わりに脂質抽出条件の検討および微生物代謝、特に化学合成独立栄養形態での代謝について明らかにする目的で実験を進めた。海洋中深層へのアクセスが容易で漁船による現場海洋調査が可能になっている静岡県焼津市沖の駿河湾において現地調査を行った際に採取した海水濾過フィルター試料を用いて、アンモニア酸化古細菌およびアンモニア酸化細菌の持つ機能遺伝子(amoA遺伝子)、および尿素分解菌の持つ機能遺伝子(ureC遺伝子)の存在量を定量PCRで解析し、それぞれの分布特性に関する情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試料採取装置の故障もあり、新規の試料採取は行えなかったが、来年度早急に対応を進める予定である。しかし、本研究の実施においては、先行研究等で採取された試料を有することから、本研究の実施への影響は最小限にとどめることができるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度同様、微生物脂質の抽出条件について、各種機器分析を駆使しながら検討を行う。特に脂質の大量抽出精製にかかる実験操作について検討を行う予定である。また、微生物の群衆組成、現場培養などから得られる知見や最終目的である微生物の代謝情報を駆使した微生物バイオマスの炭素固定量の試算に向けた計算方法および必要名パラメーターの検証なども同時に実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、使用機器の故障などによりサンプリング調査を延期したこと、および分析に関連する消耗品の購入費用が少額になったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これらの経費については、来年度において、サンプリング経費、脂質抽出に関連した機器の整備および分析消耗品代などで使用するものである。
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