2014 Fiscal Year Annual Research Report
ワイヤレス共鳴送電から発生する電磁波環境の安全性評価
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26281032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮越 順二 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70121572)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電磁波影響評価 / 共鳴送電 / ワイヤレスエネルギー伝送 / 発がん性 / 細胞機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成25年度から、引き続き構築したワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置を用いた。出力は、動作共鳴周波数12.5MHz、入力高周波電力200Wにおいて実施した。培養細胞の遺伝毒性評価を行うために、X染色体上のHPRT遺伝子座における突然変異を検出する遺伝子突然変異試験を行った。この遺伝子突然変異試験で得られた結果は、これまでに行ったコメットアッセイや小核試験による遺伝毒性評価の結果と同様に、ワイヤレス共鳴送電下でばく露された細胞において有意な影響は見られなかった。 これら一連の遺伝毒性評価結果は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が定める電磁環境ガイドラインを満足するワイヤレス共鳴送電下において、細胞への遺伝毒性を引き起こさないということを示唆している。得られた結果を踏まえ、平成27年度は、培養細胞の非遺伝毒性影響として、機能的変化で注目されているストレス応答について解析を進めていく。 また、平成26年度は、上記ばく露装置に続き400kHz帯の動作共鳴周波数を用いたワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置を作製すべく、有限要素法解析を用いて、共振周波数400kHz、高効率(伝送効率80%程度)、整合性、ICNIRPガイドライン値を上回る電磁環境レベル、電磁環境の均一性等の条件を満たす装置設計に取り組んだ。しかしながら、現在保有しているCO2インキュベータ内部という限られた領域でこれら条件を満たすことが極めて困難であることが判明した。平成27年度、引き続き装置設計およびばく露可能な装置の製作に取り組んでいく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
400kHz帯の動作共鳴周波数を用いたワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置は、既に構築した12.5MHz帯の装置と比べ、そのコイルサイズや巻数が大幅に増加する。このため、CO2インキュベータ内部で、高効率(伝送効率80%程度)、整合性、ICNIRPガイドライン値を上回る電磁環境レベル、電磁環境の均一性等の条件を満たす設計の構築に困難を起し、ばく露可能な物品を購入できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、現在所有するCO2インキュベータより大きいサイズのインキュベータならびに光ファイバー温度計を新たに購入する。これにより、ばく露装置設計のためのコイルサイズや巻数等の自由度を上げ、早期にばく露装置設計を完了させ、400kHz帯ワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置の作製、および細胞培養環境の安定性評価に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
400kHz帯の動作共鳴周波数を用いたワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置は、既に構築した12.5MHz帯の装置と比べ、そのコイルサイズや巻数が大幅に増加する。このため、CO2インキュベータ内部で、高効率(伝送効率80%程度)、整合性、ICNIRPガイドライン値を上回る電磁環境レベル、電磁環境の均一性等の条件を満たす設計の構築に困難を起し、ばく露可能な物品を購入できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には、現在所有するCO2インキュベータより大きいサイズのインキュベータならびに光ファイバー温度計を新たに購入する。これにより、ばく露装置設計のためのコイルサイズや巻数等の自由度を上げ、早期にばく露装置設計を完了させ、400kHz帯ワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置の作製、および細胞培養環境の安定性評価に取り組んでいく。
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Research Products
(3 results)