2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of neonicotinoid insecticides on paddy organisms, covering from individuals to biocommunity level
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26281050
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関島 恒夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10300964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 貢 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10190315)
渡邊 肇 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10292351)
門脇 基二 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90126029)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ネオニコチノイド系殺虫剤 / 水田メソコスム / 有尾類 / クロチアニジン / カルタップ / 生物群集 / DNAマイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
水田棲の野生種であるヤマアカガエル、アマガエルとモデル動物であるアフリカツメガエルの初期卵に対して、ネオニコチノイド系殺虫剤であるクロチアニジンと、本剤の代替殺虫剤として挙げられながらも類似した作用機序を有するネライストキシン系殺虫剤カルタップ、さらにクロラントラニリプロールを加えた3剤をそれぞれ暴露したところ、カルタップでのみ、すべての種において脊椎の褶曲、脱色、水腫が認められた。アフリカツメガエルについては、脊椎の褶曲が発生するプロセスを4段階に区切り、それぞれについてマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行った。結果として、すべての段階において、生体防御や形態形成にかかわる遺伝子群に対する著しい攪乱が認められた。形態形成にかかわる遺伝子群の中には、ホメオティック遺伝子等の形態形成の根幹となっている遺伝子が検出されており、節足動物だけではなく、ヒトを含む脊椎動物に対する潜在的なリスクが浮き彫りとなった。
新潟大学圃場内に実験水槽を設置し、クロチアニジン処理区、カルタップ処理区、および対照区を設け、生物群集への影響、トンボ類の羽化行動への影響、高次消費者である魚類、両生類への影響を明らかにした。生物群集への影響については、対照区とクロチアニジン処理区の間において有意差がみられ、ユスリカ類、カゲロウ類、アメンボ類、ショウジョウトンボにおいて著しい個体数減少が継続的に認められた。カルタップ処理区については、対照区との間に有意差は認められなかったものの、アオシマカイミジンコ、マダラミズメイガの幼虫において個体数減少が認められた。生態系レベルでの影響評価では、個体レベルでの評価結果に反して、広い生物種に対するクロチアニジンの著しい慢性毒性が認められた。クロチアニジンは、実際の水田環境下においても生物多様性低下をもたらしている可能性があり、今後本剤の継続的な影響評価が望まれる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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