2014 Fiscal Year Annual Research Report
知識・情報活用型消費者行動促進のための医薬品・食品表示デザインの提案
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26282003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小山 慎一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40420913)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感性情報学 / 実験心理学 / 消費者行動 / 医薬品・食品 / 情報デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は当初の研究計画書に基づき研究1「社会・経済的要因の検討」を行うとともに,研究3「文化的要因の検討」の一部を先行して行った.
研究1「社会・経済的要因の検討」では一般消費者を対象とした質問紙調査を行い,添付文書閲読状況を調べた.その結果,「用法・用量」(71%),「効果・効能」(68%)などの閲読率は比較的高かった一方,消費者が必ず目を通す記載項目は比較的少数に限られており,情報探索行動があまり活発に行われていないことが示唆された.また,20-40代の首都圏在住既婚女性300名を対象にインターネット質問紙調査の結果を分析した結果,医薬品のブランドに対する評価が「品質」「効果」「安全性」「パッケージデザイン」「副作用のリスク」等に影響し,外箱に記載された情報ではなくブランドの知名度を手掛かりに医薬品全体の評価が行われている可能性が示唆された.医薬品のブランドに注目する傾向は眼球運動実験でも認められた.以上の結果については第17回日本医薬品情報学会総会・学術大会(鹿児島)および日本デザイン学会第61回春季研究発表大会(福井)にて発表され,現在論文の準備が進められている.さらに,専門知識の有無の影響について検討するため,一般消費者と医師の医薬品および病気に対するリスク評価の比較も行った.研究成果は日本心理学会第78回大会(京都)にて発表され,現在論文の準備が進められている.
研究3「文化的要因の検討」については,シンガポールにて医薬品外箱・添付文書に関する調査およびインタビュー調査を行った.その結果,シンガポールの外箱および添付文書における記載情報の書かれた面積の割合は日本と比べて少なく,デザインが日本と比べてかなりシンプルな傾向が明らかになった.以上の研究成果は2015年6月の第18回日本医薬品情報学会総会・学術大会(岡山)および論文にて発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験・調査を予定通り進め,学会発表および論文投稿の準備も進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究1・3を行うとともに,来年度は研究2(発達・教育的要因の検討)を新たに実施する.研究成果は学会および論文にて報告する.
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