2014 Fiscal Year Annual Research Report
カラーユニバーサルデザイン実践のためのデザイン教育手法の開発
Project/Area Number |
26282005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
須長 正治 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (60294998)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 色彩 / 色覚 / カラーユニバーサルデザイン / デザイン教育 / ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、平成26年度から28年度の3年間にて、デザイナーへのカラーユニバーサルデザインの教育手法を開発することである。その方法として、ビデオ教材の制作とゲームを通して色覚異常が見分けられない配色を経験的に習得していくことを提案する。 平成26年度の1年目では、色覚異常が見分けられない配色を経験的に習得していくゲームを開発し、デザイナー志望の九州大学芸術工学部の学生に対し、アンケート調査を行った。この結果、ゲームに対しての関心を持ることはできるが、ゲーム自体が難しいことが明らかになった。ゲームの高い難易度は、デザイナーのカラーユニバーサルデザインの基礎知識の不足にあると思われ、今後、ビデオ教材の制作によって、知識不足を解消していく予定である。 これらの研究成果は、平成26年5月23日から25日に九州大学大橋キャンパスにて開催された第45回日本色彩学会全国大会にて発表を行った。その結果、カラーユニバーサルデザインの普及に取り組んでるNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構から深い関心をもっていただくこともできた。 さらに、この成果は、平成27年5月19日から22日まで、東京御茶ノ水ソラシティにて開催される国際色彩学会(AIC)にて、研究成果を世界的に発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、平成26年度から28年度の3年間にて、デザイナーへのカラーユニバーサルデザインの教育手法を開発することである。その方法として、ビデオ教材の制作とゲームを通して色覚異常が見分けられない配色を経験的に習得していくことを提案することである。 平成26年度の1年目の目標は、1)色覚異常が見分けられない配色を経験的に習得していくゲームを開発、および、2)カラーユニバーサルデザインに関する教材ビデオの制作である。1)のゲーム開発については、開発が終了し、そのアンケート評価まで行うことができた。これは、予定以上の進捗状況である。一方、2)の教材ビデオに関して、その準備を行ったまでであり、まだ完成はしていない。ゲームの進捗と教材ビデオの進捗を総合的に考えると、おおむね順調に進んでいると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、計画以上に進んでいるゲーム開発よりも、教材ビデオ制作に集中して研究を進めていく計画である。そのために、平成27年度から平成28年度までの2年間、学術研究員を雇用し、教材ビデオの開発を主とした業務を行っていただく。これにより、教材ビデオの制作も順調に進捗するものと思われる。 また、ゲームの評価については、九州大学芸術工学部の学生を対象に実際にゲームを使用していただき、その上達度およびカラーユニバサーサルデザインに関する知識の習得度を測定する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度から平成28年度の3年間、学術研究員を雇用する予定であったが、配分額と学術研究員の人材確保の都合上にて、平成27年度から平成28年度の2年間というように計画を変更した。それに伴い、予算執行も、平成26年度の基金分を研究費(3,624,745円)を平成27年度の人件費として繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の基金分を研究費(3,624,745円)を、平成27年度の補助金部分とあわせ、学術研究員雇用の人件費として使用する計画である。
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