2014 Fiscal Year Annual Research Report
展示品に接する機会が少ない生徒のための博学連携による教育支援プログラムの実践研究
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26282007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金 大雄 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (90346859)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミュージアムデザイン / コンテンツデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、児童の興味・関心がわきやすいARなどの先端技術を用いて博物館が持っている専門のノウハウを学校教育に活用し、子供たちの学習機会の充実を図るもので、博学連携による体系化された次世代型教育支援プログラムを設計・開発するものである。 本年度は、国内外の先進事例における調査・研究とそれらについての問題点や課題の抽出を行い、基本設計を行った。また、詳細設計においては、小学校4年生理科の筋肉と骨を取り上げ、博物館と連携したプロトタイプコンテンツを作成して、被験者を通して得られた諸データや博物館側の要請する用件定義を行い、より実用的な設計を行った。 国内外における先進事例の調査・研究では、教育・普及や特に博学連携活動に力を入れている施設へ足を運び、担当者インタビューや活動について取材を行い、調査内容を詳細に分析した。国内は、大阪市立自然史博物館、兵庫県立考古博物館、国立民族学博物館、九州国立博物館を中心に、海外はスペインのバルセロナ市歴史博物館、カタルーニャ美術館、プラド美術館、国立考古学博物館、CosmoCaixa Barcelonaを中心に次の方法で行った。 まず、学校と博物館の連携の現状を調べ、学習に効果的かつ現実的な連携内容・方法を明らかにした。次に、博物館の活用に関して、連携小学校の教師の聞き取り調査により、児童の関心を調べ、効果的な博物館活用方法を確認した。さらに、博物館の活用・博物館との連携によって、どのような効果があったのか、また問題点や課題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度から着手した本研究は、基本設計と詳細設計を行い、その都度プロトタイプ開発と検証を行い、実用化に向けた研究を進めている。その成果として国内外の学会等での研究発表を着実に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果をもとに来年度は、知識共有システムと教育活動支援システムの構築を行い、研究の目標でもある学校教育と博物館教育の連携をコンテンツの制作を通して支援する。本研究は、空間に配置された実物の展示品とは独立した仮想空間をタブレット端末の画面越しに「のぞき」、その世界がカメラの向こう側に広がって見えるような空間配置型ARを実現し、空間から特徴点を抽出することで、教室を仮想の博物館として表現していく。今後教育現場と博物館とより密接な議論を重ね、実用化に向けて検討を進めていく。
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