2016 Fiscal Year Annual Research Report
オミクス解析による低エネルギー密度の日本食の長所と短所を解明する先端食卓科学研究
Project/Area Number |
26282024
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
奥村 仙示 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 講師 (30322259)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 食生活 / メタボロミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
食後高血糖は心血管疾患の危険因子である。肥満者を対象にグリセミックインデックス(GI)の異なる食事を摂取させ、食後の血糖及びインスリン反応を検討した。肥満者15名(年齢46.1±1.74歳、BMI 30.8±1.18 kg/m2)を対象とし、各試験食の無作為クロスオーバー試験を行なった。試験食は、①Control食(米飯+ゆで大豆・じゃがいも・ブロッコリー/エネルギー455kcal)②粘性食(米飯+納豆・長芋・オクラ/エネルギー457kcal)③ヨーグルト食(米飯+ヨーグルト・卵白・レンコン・ブロッコリー/エネルギー445kcal)④チーズ食(米飯+リコッタチーズ・イチゴジャム・レンコン・ブロッコリー/エネルギー509kcal)を用い、一晩絶食後の早朝に試験を開始した。空腹時及び試験食摂取後、血糖値、血清インスリン濃度、血清C-ペプチド濃度、血清遊離脂肪酸濃度、血清中性脂肪濃度を測定した。また、採血直前に視覚的評価法による満腹度、空腹度調査を行った。被験者を血糖値及び血清インスリン濃度に着目して分類し検討した。粘性食摂取後でControl食と比較して食後の血糖は有意に低値を示し、血清インスリン濃度は低い傾向を示した。インスリン抵抗性群において、チーズ食摂取後で血糖値ではControl食と比較して有意に低値を示し、血清インスリン濃度では粘性食と比較して有意に高値を示した。インスリン抵抗性群において、粘性食摂取後はControl食と比較して血糖値、血清インスリン濃度ともに低値を示しているが、同程度の低い血糖値でもチーズ食は食後にインスリン分泌することにより、低GIを示すインスリン反応の異なった。乳酸はインスリン抵抗性群において、チーズ食摂取後急激に上昇し低下した。食品の成分の違いだけでなく脂質量の違いが影響している可能性もあり、さらなる解析が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプリング血清について、メタボローム解析を行っている。解析は、経験のある共同研究者と連携し方法の検討を重ねている。
|
Strategy for Future Research Activity |
結果の解釈を行うため、解析について検討を続ける。近年、バイオインフォマティクスはプログラミングの技術を持たなくても、既存のソフトを組み合わせることにより結果の解釈が可能な部分も多くなってきた。不明な点を経験のある共同研究者に相談し、さらに文献から示唆を得る。
|
Causes of Carryover |
解析費用に関して、継続的に使用しているソフトを活用したため、費用が節約できた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、解析の方法や手法の検討を重ねる。 バイオインフォマティクス解析に必要が生じた場合は、適宜既製品ソフトの購入を検討する。
|