2014 Fiscal Year Annual Research Report
科学知識の理解に関するメタ認知能力の役割についての日独比較研究
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26282042
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (40200951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KAISER Stefan 國學院大學, 文学部, 教授 (20260466)
寺田 光宏 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40514641)
藤田 剛志 千葉大学, 教育学部, 教授 (90209057)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学教育 / メタ認知 / 信念 / 自信 / 国際研究者交流 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日独の研究者が共同して行う調査研究である。第1回全体会議を6月にドイツで開催し、調査の枠組みについて議論した。本研究の目的は、科学(理科)の学習によって子どもたちが学んだ知識が本当に彼らに身についているのか、また、彼らはその知識を十分に使いこなすことができているのかを明らかにすることである。子どもたちが学んだ知識は、課題や質問に対して正しく用いられることが求められる。それができるためには、彼らは頭の中で必要な知識を探し、選び、加工し、表出できなければならない。そこで、調査では子どもたちの持つ知識を多面的に捉えるため複数の調査形式による調査問題を作成し実施することとした。調査の形式は、(1)連想語調査、(2)イメージ調査(肯定的・否定的)、(3)単語連結調査、(4)自由定義調査、(5)単語動詞化調査、(6)単語インスピレーション調査、(7)単語ジェスチャー調査の7つである。また、本会議では調査に使用する単語(概念)について議論を行った。日独の共同研究であること、言葉に関係する研究であることから、意味が同じ言葉を用いることが重要であり、この議論は本研究の最も重要なところである。 その後はメールのやり取りで調査問題を確定し、本年度は両国それぞれで40~50人程度の予備調査を行った。調査の対象は、PISA調査が対象としている高校1年生とした。調査のデータはそれぞれの国で分担して分析を行い、次回全体会議に結果を持ち寄って討議する計画にしている。次回の全体会議は7月24日~26日を予定している。 その他本年度に行った事項としては、日独の教員の内面の比較ができないかという課題に対して、教員の思考のプロフィールを描き出す手法について議論を交わした。教員の思考が明らかにできれば、日独の生徒の認知能力の比較のために参考になる知見が得られると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標である調査問題の作成と予備調査を完了し、概ね予定通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年7月24日~26日に第2回全体会議を開催し、予備調査の結果の検討を行うこととしている。その結果にしたがって本調査に向けた調査問題の修正を行い、両国それぞれ500名程度の本調査を実施する。 調査実施後は、調査データを日本に集約し、コンピュータへの入力及び分析を同じ手続き量的な分析を行うことにしている。並行して質的な分析については、それぞれの国で行う予定であるが、質的分析の観点については予備調査の知見を元にガイドラインを作成して行うことになる。 本調査は概ね本年度中に終え、来年1~3月でデータ入力と分析を完了する予定である。4月前後に第3回の全体会議を開催して結果の考察行い、追加分析と報告書執筆分担等を決定し、その後の1年間で報告書をまとめる計画である。
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Causes of Carryover |
次年度の本調査に大きな経費の支出が見込まれるため、本年度はできる限り経費の節約に努めた結果である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本調査の実施に適用する。
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