2015 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグデータを用いた子育て不安の分析と保護者の支援に関する研究
Project/Area Number |
26282053
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松河 秀哉 大阪大学, 全学教育推進機構, 助教 (50379111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 洋子 園田学園女子大学短期大学部, 幼児教育学科, 准教授 (20225121)
堀田 博史 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (60300349)
岩崎 千晶 関西大学, 教育推進部, 准教授 (80554138)
新居 佳子 大阪市立大学, 文学研究科, 研究員 (90420421)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ビッグデータ / 子育て不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主に、テキストマイニング技術を用いて、子どもの年齢に応じた子育て不安の種類の同定を行った。 年度当初は、テキストマイニング技術として、ネットワーク分析におけるコミュニティーの概念を用いて、掲示板上の書き込みに含まれる単語の顕在的な共起関係を取り出すことで、話題のかたまりを抽出しようと試みた。 この手法を用いることで、ある程度の種類の話題を抽出することが可能であったため、当初はその分析結果を用いて、不安に対する対処方法の検討や、保護者に対するフィードバックを行う予定を立てていた。ところが、年度の終盤にかけて、新たなテキストマイニング手法として、潜在的な単語の共起関係も考慮できるトピックモデルという技術を用いて分析を行ったところ、従来より遙かに高い精度で詳細な話題を抽出できる可能性が高いことが明らかとなった。 そこで、当初の予定を変更し、子どもの年齢ごとに、トピックモデルによる分析を援用することで、どのような話題が、どの程度の頻度でみられるのかについて、その精度も含めて分析・検証を行ったうえで、改めて対処方法と、保護者に対するフィードバックを考えることに研究計画を見直すこととした。 現在は、新しい手法を用いた子どもの年齢ごとのトピックの抽出はほぼ完了している状況である。今後は抽出したトピックの妥当性について検証するための実験を計画・実行し、ある程度の妥当性が確認できれば、その結果に基づいて不安に対する対処方法の検討やフィードバックを実施していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも書いたとおり、本年度の当初は、テキストマイニング技術として、ネットワーク分析におけるコミュニティーの概念を用いて、掲示板上の書き込みに含まれる単語の顕在的な共起関係を取り出すことで、話題のかたまりを抽出しようと試みていた。 この手法を用いることで、ある程度の種類の話題を抽出することが可能であったため、当初はその分析結果を用いて、不安に対する対処方法の検討や、保護者に対するフィードバックを行う予定であった。しかし、年度の終盤にかけて、新たなテキストマイニング手法として、潜在的な単語の共起関係も考慮できるトピックモデルという技術を用いて分析を行ってみたところ、従来より遙かに高い精度で詳細な話題を抽出できる可能性が高いことが明らかとなった。 そこで、当初の予定を変更し、子どもの年齢ごとに、トピックモデルによる分析を援用することで、どのような話題が、どの程度の頻度でみられるのかについて、その精度も含めて分析・検証を行ったうえで、改めて対処方法と、保護者に対するフィードバックを考えることに研究計画を見直すこととした。 このため、見かけ上は研究の進行が多少遅れたように思われるが、分析結果の精度や利用しやすさが大きく向上することが期待されるため、研究の質および、今後の研究の進度においては、当初の計画以上の達成が期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、トピックモデルを用いた分析手法を新たに採用したため、今後の進展は、引き続き一時的に若干送れるものと想定される。しかし、分析結果の精度向上が期待されるため、そこから得られる子育て不安の種類は従来以上に妥当で安定的なものになり、そのため、保護者に対してフィードバックする子育て不安への対処方法もより具体的で役に立つものになるものと思われる。 このため、今年度は無理にこの若干の遅れを取り戻すのではなく、必要であれば、来年度1年間の研究期間の延長も視野に入れて、実際に保護者に役に立つ子育て不安に対する対処方法を検討すること、おそび検討結果をわかりやすくフィードバックするためのWebページの開発や、ワークショップ等の保護者向けのイベントの開発・実践に注力し、研究の成果が有意義に活用されるものとなるよう取り組んでいきたい。
|
Causes of Carryover |
本年度は、年度途中から研究方法をみなおし、子育て不安の抽出方法として、より高い精度が見込まれる手法を採用した。このため、研究の計画が全体として後ろ倒しになったこと、特に、子育て不安の対処方法の検討と、その結果を保護者に効果的に伝えるためのWebサイトの開発や、ワークショップ等のイベントの実行が完全に次年度に持ち越しとなったことが、繰越金が生じた最大の理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、新たな分析手法に基づいた、子育て不安の対処方法が明確になる予定であるため、その結果に基づいて、前年度に一部行う予定であった、Webサイトの開発や、保護者向けのワークショップ等のイベントの実施をすすめ、繰り越した分の予算を使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)