2016 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグデータを用いた子育て不安の分析と保護者の支援に関する研究
Project/Area Number |
26282053
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松河 秀哉 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (50379111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 博史 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (60300349)
岩崎 千晶 関西大学, 教育推進部, 准教授 (80554138)
新居 佳子 大阪市立大学, 文学研究科, 研究員 (90420421)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | トピックモデル / 子育て不安 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度に引き続き,トピックモデル技術を使うことで,子どもの年齢ごとに同定された保護者の悩みについて分析を行い,対処方法を検討した.具体的には0-6ヶ月,7-11ヶ月,1歳,2歳,3歳の5種類の掲示板データについて分析を行い,各年齢における中心的な話題や,保護者の関心が年齢に応じて移り変わる様を明らかにした.この一部については国際会議で発表を行った.また,保護者を対象としててワークショップを開催した.ワークショップでは,分析で明らかになった不安をもとに,参加者のもつ不安や悩みに,保育の専門家が耳を傾け,助言を行った.その結果,保護者からは,他者も同様な悩みを持っていることを知ったり,専門家からアドバイスを受けることで,ある程度不安が解消されたとの感想が得られた. さらに,科研のwebサイトを立ち上げ,今後,年齢に応じた子育て不安やその対処方法など,科研による成果を発信するための準備を整えた. また,本研究で培った,トピックモデルを用いた大量のテキストデータの分析は,他の分野における教育データの分析においても,大きな応用可能性がある.そこで,本年は,ある大学で得られた6万件程度の授業評価アンケートの自由記述データについても,トピックモデルを用いた分析を行った.分析の結果,170種類の話題が分類でき,それぞれの話題が自由記述の中にどの程度出現していたかを自動的に把握することが可能となった.また,科目群などの情報と紐付けることでより高度な分析が可能であることも確認することができた.この成果は国内学会誌に論文として投稿した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は,子育て不安の分析方法を,ネットワーク分析を活用したものから,トピックモデルを活用したもの変更したため,研究の遅れが生じた.分析方法をトピックモデルを活用したものに変更してからは,子育て不安の抽出や分類を順調に行うことが可能であった.分析が順調に進行したため,ワークショップの開催や,国際会議での発表,本研究の分析手法を応用した論文の投稿などを着実に進めることができた.そのため,前年度の遅れをある程度取り戻し,本年度は,おおむね順調に研究を進めることができたと考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,最終年度であるため、保護者の子育て不安ついて、トピックモデルを用いて最終的な分析を行い,子供の年齢に応じた子育て不安に関する確定版を作成する.この確定版に対して、保育や心理学の専門家と共に、対処方法を検討の検討も行う. また、明らかになった子育て不安やその対処方法に関する情報を活用しながら、保護者を対象としたワークショップを引き続き複数回開催し、分析結果の保護者への還元をよりいっそう推し進める. 明らかになった子育て不安やその対処方法については、昨年度開設したwebサイトに掲載し、広く一般に公開する. ワークショップやwebサイトの活用状況や,それらが利用者にとって有効であったかどうかについては,質問紙調査等を用いて評価を行い,教育実践として論文化を目指す.トピックモデルを用いた分析については,信頼性を検証する調査・実験を行った上で,教育におけるビックデータの一利用手法として論文化を目指す.
|
Causes of Carryover |
前々年度に子育て不安の抽出方法を大規模に変更したため,研究計画に遅れが生じた.昨年度の研究はおおむね順調に進行したが,前々年度に研究が遅れた分,当初計画していた,ワークショップの実施やwebサイトでの情報発信を十分に行うことが出来ず,それに関連した経費執行にも遅れが生じた.そのため,研究機関を一年延長し,その分を次年度に実施・執行することとした.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,前年度十分に実施することが出来なかった,ワークショップの開催やwebサイトでの情報発信を最優先に,研究の遂行と経費の執行を行う予定である.また研究の最終年度となるため,当初の計画通り,学会等での成果発表を積極的におこない,論文の投稿も行う予定であり,それらに関連した経費執行も予定している.
|
Research Products
(3 results)