2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Greek mathematical documents
Project/Area Number |
26282066
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Research Institution | Yokkaichi University |
Principal Investigator |
斎藤 憲 四日市大学, 関孝和数学研究所, 研究員 (10221988)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エウクレイデス / ユークリッド / 構文解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の中心的な課題は,19世紀から20世紀にかけて校訂版が作られたギリシャ数学の現存するテクストのすべての文章に対して構文解析を支援するプログラムを作成することであった.すべての文の構文が解析され,検索可能な形で記録されることによって,後の変更や追加に由来する部分を特定し,本来のテクストの姿を再現する有力な手段となることを期待していた. 通常の自然言語よりもはるかに単純な『原論』のテクストでも,完全な構文解析を行うのは予想以上に困難であり,構文解析支援プログラムの作成に予想外の時間を費やした.そのため,現状で構文解析が完全に終了したのは,『原論』のうち第1~4巻と第6巻にとどまった.またこれらの巻の解析結果は.xmlファイルで記述されていて,技術的な知識がないと特定の構文の検索は困難である.特定の単語や構文を検索できるツールを作成して他の研究者に提供することを目指していたが,それは今後の課題となった. とはいえ,解析作業および部分的な結果から,『原論』の文体が巻ごとに異なり,また特定の命題に他の命題に見られない構文や単語が集中的に現われること(すなわちその命題が別の起源を持つと考えられること)を確認し,この成果による論文1本が掲載決定となった. これは,構文解析によって,数学文献のテクストのうち後に変更された部分を特定できるという研究当初のアイデアが正しかったことを示すものであり,今後,得られた結果を出来るだけ早くまとめて,検証可能な形で提示したい.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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