2016 Fiscal Year Annual Research Report
50年確率値を用いた土砂災害発生危険度の評価-土壌雨量指数と1時間雨量を用いて-
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26282080
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松山 洋 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (50264586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 仁 関東学院大学, 経済学部, 講師 (00709628)
泉 岳樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (10336513)
中山 大地 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (90336511)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 土壌雨量指数 / 1 時間雨量 / 解析雨量 / 土砂災害 / CL (Clitical Line) / 九州北部豪雨 / 無人航空機 / 空中三角測量 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)平成 28 年 4 月に発生した熊本地震の影響により,この地域で従来は土砂災害が発生しなかったような少ない降水量であっても,土砂災害が発生していることが明らかになった。この影響について引き続き調べるために,本研究の期間を 1 年間延長することになった。 (2) 日本全国を対象として,平成 18 年~平成 20 年に土砂災害が発生した地点・時刻における土壌雨量指数と 1 時間雨量の関係について調べた。土砂災害発生に関する位置情報が信頼できる 816 の事例のうち,土壌雨量指数もしくは 1 時間雨量のいずれかが 50 年確率値を超えていたのは 11 であった(両方が超えていたのは 1 つだけであった)。そのため,大部分の土砂災害は,土壌雨量指数や 1 時間雨量が 50 年確率値を超えなくても発生していることが実証的に示された。これは,今後の防災対策に重要な知見であると考えられる。 (3)平成 24 年 7 月九州北部豪雨に伴う阿蘇火山地域での土砂生産量を,ドローン(UAV)によって撮影された画像と SfM 多視点ステレオ写真測量という手法を用いて推定した。さらに,SfM 多視点ステレオ写真測量の地形学的応用に関するレビュー論文を執筆した。 (4)GPS 可降水量と領域客観解析データを用いて,平成 24 年 7 月九州北部豪雨の際の水蒸気の動態について明らかにした。また,日本全国を対象として JRA-55(気象庁が作成している長期再解析データ)と GPS の可降水量を比較し,前者が後者を系統的に過小評価していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を原著論文や総説として学術雑誌に公表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 28 年 4 月に発生した熊本地震の影響により,以前よりも少ない降水量で土砂災害が発生していることが分かった。この影響について引き続き調べるために,本研究の期間を 1 年間延長することになった。
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Causes of Carryover |
平成 28 年 4 月に発生した熊本地震の影響で,以前よりも少ない降水で斜面崩壊が発生していることが分かった。そのため,平成 29 年度も引き続き本研究を続ける必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
気象業務支援センターから気象データを受信するための費用,および関連する消耗品等の購入に使用する。
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Research Products
(10 results)