2015 Fiscal Year Annual Research Report
自動車用予防安全基盤技術-危険警報提示・居眠り予測技術の実用化-
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26282095
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村田 厚生 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10200289)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 居眠り運転 / 交通事故 / リスク / 行動指標 / トレンド分析 / 多項ロジスティック回帰モデル / 予測精度 / X-bar管理図 |
Outline of Annual Research Achievements |
簡易警報システム試作・製作のための設計データから,自動車側が危険警報提示を行う簡易警報システムを試作・製作し,その有効性を検証した。居眠り予測システムの簡易化・車載に必要な最低限の情報の選択・抽出と予測精度の評価・確認を実施した。 (1)触覚警報に関しては,同種の感覚を経て処理される情報のような干渉現象が生じにくい。しかし,実車環境では,車体の振動と干渉する可能性があるため,実車走行によって,触覚警報の有効性を検証し,実車環境でも十分に使用可能であることを示した。そして,触覚提示における周波数,強度,触覚刺激提示部位とそれぞれの部位に適した振動の周波数を決定し,その有効性を検証した。また,実車時の騒音環境において設計データが,十分に効果的であるかを確認・検証しながら,実用上支障がない聴覚警報のタイプ,周波数,音圧レベルを決定した。また,聴覚刺激に関しては,有効な聴覚警報提示のためには,聴覚警報と外部騒音との適合性を設計要素として考慮する必要性が示された。 (2)居眠り予測システムに関しては,(A)評価指標のトレンド分析に基づく方法,(B)評価指標のX-bar管理図に基づく方法,(C)眠気の主観評価の多項ロジスティック回帰分析による予測に基づく方法を提案し,その有効性を検証した。30人の被験者に対して,(A)-(C)の手法で交通事故に至るリスクの高まる時点を事前に予測することができるかを検証した。その結果,提案手法のいずれに関しても,高い精度でリスクの高まる時点を事前に高精度で予測できることが示された。(A)予測精度:28/30,(B)予測精度:30/30,(C)予測精度:27/30。また,本年度の分析を通じて,予測手法(A)-(C)のそれぞれに対して,これらを実用化するに当たって克服しなければならない点を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標(1)と(2)はほぼ達成されている。(1)に関しては,その成果をApplied Ergonomicsに投稿完了した。(2)の予測手法(A)-(C)の実用化上の問題点も明確にされているため、H28年度以降の産業界との連携による実用化のための十分な基盤が得られていると判断される。また,研究成果は海外の著名な以下のJournalへ発表されている。 (A)A.MURATA et al.: Development of a Method to Predict Crash Risk using Trend Analysis of Driver Behavior Changes over Time, Traffic Injury and Prevention, 17(2), 114-121, 2016. (B)A.MURATA et al.: A Method for Predicting the Risk of Virtual Crashes in a Simulated Driving Task Using Behavioral and Subjective Drowsiness Measures, Ergonomics, 掲載決定, 2016. 予測手法(C)A.MURATA: Proposal of a Method to Predict Subjective Drowsiness using Physiological and Behavioral Measures, IIE Transactions on Occupational Ergonomics and Human Factors, 掲載決定,2016.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,本年度に明らかになった問題点を解消し,提案手法の検証・さらなる精緻化を目指しながら,住友理工,デンソーなどの自動車関連機器メーカー,ホンダ,マツダ,などの自動車メーカーとの連携を行い,本システムの実用化へ向けてさらに努力していきたい。住友理工に関しては,ドライバ座席に装備する圧力センサに関する打ち合わせを定期的に実施している。また,平成27年度の(2)の予測手法(C)に関しては,本年7月に開催されるAHFE(Applied Human Factors and Ergonomics)2016で発表予定である(A.Murata and M.Moriwaka: Multinomial Logistic Regression Model by Stepwise Method for Predicting Subjective Drowsiness using Performance and Behavioral Measures)。さらに,研究成果はimpact factorの高いErgonomics,IIE Transaction on Occupational Ergonomics and Human Factors,Traffic Injury Preventionの他にもApplied Ergonomics, IEEE Transaction on ITSへも投稿し,さらにグローバルに成果を発信する。本研究課題に関連して,米国Florida州OrlandoにあるUniversity of Central FloridaのDept. of Industrial Engineering & Management SystemのProf.Karwowskiの研究チームとさらなる連携を強化し,日本のみではなく海外の自動車メーカーとの連携も進めていく。
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Causes of Carryover |
購入予定金額(業者からの見積額)よりも低い価格での納入された物品があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の消耗品購入費に充当する。
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Research Products
(26 results)