2015 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザー光超音波顕微鏡の開発による細胞の断層像の可視化
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26282142
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 勝由 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20417017)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フェムト秒レーザー / 光超音波 / 細胞 / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に開発されたZnO薄膜に金電極を蒸着しGHz帯域の光超音波センサを作製した。センサ上に、生体を模擬した光学・音響特性を有する厚さ5ミクロンの高分子フィルムを置き、ビームエクスパンダー、コリメーターおよび対物レンズで3ミクロンのスポット径に集光したフェムト秒レーザーを照射した。平成26年度に確認した超音波発生および取得条件を適用し、周波数200 MHz以上の光超音波信号の発生を確認した。 顕微鏡システムに関しては、ピエゾアクチュエーターを3軸コントローラーで10 nmの精度で機械走査し、ワークステーションでレーザー光照射および信号取得等すべてをコントロールすることでフェムト秒レーザー光超音波顕微鏡システムの基本構成を構築した。システムの性能については500 MHzの超音波を送受信して培養細胞を観察することで評価を行った。 Vチップ(5 mm×5 mm)をターゲットであるZnO焼結材のエロージョン領域上におき、両者を同時にスパッタしてV-doped ZnO (VZO)を成膜し、Vドープ量を蛍光X線によりZnとVの質量濃度を測定し、原子量濃度に変換して求めた。 さらに開発したフェムト秒光超音波顕微鏡システムにおいて、金電極を蒸着したZnO、金電極を蒸着したZnO+VZOを、それぞれセンサとして用いた際の光超音波強度を測定し、ZnO+VZOが通常のZnOに比較して圧電性が高いことを確認し、VZOの有用性について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、光超音波に関する知見、特に高周波数帯域における光音響信号の特性が明らかになった。平成28年度は光音響センサの構造についてさらに追究し、光音響信号の発生素子と受信素子を分けて用いるなどして、フェムト秒光超音波顕微鏡を完成させる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに超音波顕微鏡については細胞を観察できるシステムを構築しているので、平成28年度には光超音波を用いた観察を行う予定である。
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Causes of Carryover |
システムを構成する部品が予定より安く購入できたことおよび身内の不幸により出席予定学会を欠席したため次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果について積極的に学会発表を行うとともに、システムの精度を向上させるためのチューニングを施すために次年度使用額を使用する。
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