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2015 Fiscal Year Annual Research Report

3D超音波像のトラッキングによる循環動態の長時間モニタリング

Research Project

Project/Area Number 26282146
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

杉本 直三  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20196752)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 椎名 毅  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40192603)
藤井 康友  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00337338)
石津 浩一  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314224)
上野 智弘  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10379034)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords医用超音波システム / 3D超音波 / 循環動態 / 長時間モニタリング / トラッキング
Outline of Annual Research Achievements

超音波画像による循環動態長時間モニタリング法の開発を目標に研究を進めている.門脈血流解析のための前段階として形態画像位置合せを具体的な対象として検討し,更に,長時間モニタリングが有用な他のアプリケーションの探索も行っている.
まず,H26年度開発の画像位置合せプログラムの精度と速度の向上に取り組んだ.精度向上のためにそれまで考慮していなかった回転運動を考慮した.計算量が飛躍的に増加するため,探索範囲の絞り込み,効率的な探索順序の導入,プログラミング上の効率化等により高速化を図った.更に計算機の整備も加えて70分間データの処理時間を数日から半日程度まで短縮化した.
H26年度に開発した固定具の有効性と長時間撮像時の画質変化の検討を超音波用腹部ファントムを用いて行った.この結果,6時間撮像で画像変化が許容範囲に収まることを確認した.また,画像位置合せプログラムの精度検証のため,プローブを用手法的に移動して相対的に画像上での動きを模したファントム実験で定量評価を試みた.この結果,対象を視野内に捉えている限りトラッキング可能であり,また,ターゲット画像とテンプレート画像の差異による誤差評価で雑音と同程度との結果を得た.健常被験者対象の検討では,1名の被験者による複数回の長時間撮像に成功した.複数回の撮像いずれにおいても約1時間の撮像の間に門脈形状を捉え続けていることを確認した.評価は位置合せ結果動画の目視により行った.この結果,健常被験者像においても対象を視野に捉えている限り位置合せ可能であることを確認した.
長時間モニタリングが有用な他のアプリケーションとして,胃腸と心臓の可能性を見い出し検討を開始した.胃腸に関しては幽門部を3D動画像として捉えて蠕動運動の観察が可能であった.心臓については2D動画撮像による検討を開始した.腹部同様に簡易固定具の試作を行っている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実績の概要で述べたように,静止ファントムを用いた評価実験および健常被験者を対象とした撮像実験と画像解析結果評価により,長時間超音波によりモニタリングの可能性とその方法について予想以上に順調に検証できている.しかしながら動態ファントムを用いた検討のみについてが初年度から引き続き遅れている.H27年度は,静止ファントムを対象としてプローブを用手法的に動かすことによって相対的に画像上での動きを模擬する方法で評価を行って一定の進展を得ているものの,やや定量性に欠けるという欠点があり,やはり当初計画の動態ファントムによる評価が望まれる.
ソフトウェア面ではオフライン処理ではあるが成果があがっている.循環動態を評価するためにはリアルタイム処理とオンライン化が必要であるが,本研究計画においては当初よりオンライン化は想定外でありこの点は予定通りである.
以上のように計画以上に進展している部分が多数あるなかでやや遅れている部分もあり,全体としてはおおむね順調ということが言える.

Strategy for Future Research Activity

平成26・27年度と同様に臨床アプリケーショングループ・ハードウェアグループ・ソフトウェアグループの3グループ体制で研究を推進する.各グループが有機的に結合して連携しながら研究を進める.
これまで順調に進んできている臨床アプリケーショングループとソフトウェアグループについては平成26・27年度と同様に研究を推進する.臨床アプリケーショングループは,胃腸蠕動運動および心臓の長時間撮像についても検討する.ソフトウェアグループはこれまでに開発してきた手法の高度化(高精度化と高速化,ロバスト化)を主たる目標とする.高速アリゴリズムの検討を行うのと平行して,計算機環境の整備による高速化も図る.また,上述の新しいアプリケーションに対応するソフトウェアの開発にも着手する(胃腸蠕動運動の3D可視化と定量評価など).ハードウェアグループでは現在の固定具の改良(自由度の検討)と新しい臨床アプリケーションに対応した固定具の開発検討を行うとともに,若干遅れている動態ファントムについて検討を加える.
全体としての成果を上げるために,3グループのいずれに重点を置くかを十分に検討のうえ研究を進める.
計画最終年度にあたるので,門脈に関する部分についえては論文にまとめることを目標とし,更に胃腸や心臓部分も含めて次のプロジェクトへの展開を目指す.

Causes of Carryover

研究協力者として参画した学生(医学部)がソフトウェア開発能力を有しており,ソフトウェア開発に見込んでいた人件費等を支出しないで済んだこと,動態ファントム開発の前に静止ファントムによる評価を行ったことにより動態ファントム開発のための費用(材料費や調査旅費)を支出しなかったこと,組織改革が行われることとなり予想以上に分担者全員が多忙となり予定していた海外学会への参加・発表が行えなかったことが理由である.予定より順調であったソフトウェア面や臨床アプリケーション開発面を加速するために,計算機環境の整備(ソフトウェア面・ハードウェア面)等に充当しようとしたが充当しきれなかった.

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰り越し分は動態ファントム開発のための物品購入費(材料費)とそのための調査旅費およびファントム実験実施のためと,予定より順調であるソフトウェア面や臨床アプリケーション開発面を加速するために引き続き計算機環境の整備(ソフトウェア面・ハードウェア面)等にも充当する.また,最終年度にあたるため,海外学会での成果発表などに積極的に参加する.全体として成果を上げるためにこれまでに開発が進んでいる部分と遅れている部分のどちらにより重点を置くかについて充分検討しながら進める.

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 Other

All Journal Article (1 results) (of which Acknowledgement Compliant: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 長時間3次元超音波による門脈の撮影・位置合わせと評価2016

    • Author(s)
      寺田伊織,寺床俊樹,上野智弘,石津浩一,藤井康友,椎名毅,杉本直三
    • Journal Title

      電子情報通信学会技術研究報告 MI2015-123

      Volume: 115 Pages: 241-246

    • Acknowledgement Compliant
  • [Remarks] 超音波画像による長時間生体モニタリング

    • URL

      http://sugimoto-lab.hs.med.kyoto-u.ac.jp/lmus/

URL: 

Published: 2017-01-06  

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