2015 Fiscal Year Annual Research Report
下肢筋プロポーションと歩行モーションの加齢変化とその関連性
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26282194
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (70300473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船津 京太郎 九州共立大学, スポーツ科学部, 教授 (10259658)
福田 修 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20357891)
福元 清剛 静岡大学, 工学部, 助教 (60600129)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 老化 / 歩行 / 介護予防 / 筋 / 高齢者 / 超音波 / 動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢などによって下肢の筋力が衰えると生活動作、特に歩行動作が困難になる。その動作の可否は下肢の各筋(大腿部・下腿部の伸筋群・屈筋群)の筋量およびそれらのバランス(下肢筋プロポーション)が関係していると考えられる。本研究は介護予防の観点から、自立して歩行ができる高齢者を対象とし、①歩行モーションの加齢変化、②下肢筋プロポーションと歩行モーションとの関連性を検討した。 日常生活の歩行に支障がない成人男女、主に中高齢者を被験者とした。被験者は平坦な歩行路を日常生活での速度によって歩行した。被験者の身体表面の主要関節部等に装着した球体マーカーの座標を赤外線カメラを用いた三次元動作解析システム(モーションキャプチャ)によって計測し、歩行モーションを解析した。歩行速度、歩調、歩幅、歩行周期(遊脚期、立脚期、片足支持期、両脚支持期)などの基礎的なパラメーターに加え、下肢の関節(股関節、膝関節、足関節)の角度、角速度、角加速度のピーク値およびそのピークが観察されるタイミングなどを多角的に解析した。また、研究グループが開発した超音波筋横断面計測システムを用いて、仰臥位における大腿部中央および下腿部最隆起部の筋横断総面積、筋群別の面積(例えば大腿部であれば膝関節伸筋群・屈筋群、下腿部であれば足関節底屈筋群・背屈筋群)を計測した。 今後もデータを追加していく予定であるが、現在の主要な結果として、1)歩行速度や歩幅の低下などの基本歩行パラメーターの加齢変化は70歳前後より加速する。2)一方、1)の変化に先行して、下肢関節動態の歩行パラメーターの加齢変化がみられる。3)歩行パラメーターの加齢変化は角度、角速度、加速度の大きさに加え、それらのピークタイミングにても観察される。4)加齢変化がみられる歩行パラメーターには、下肢筋プロポーションと関係性がみられるものがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の動作解析カメラが故障したため、研究が何度か中断したが、研究に必要なデータは増えており、また興味深い知見が得られている。さらに、本研究の成果を発表した学会発表2件が受賞したことから、高い評価も受けていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度のデータの解析がまだ残っており、H28年度の課題と平行して進める。また、研究成果発表も積極的に行う。
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Causes of Carryover |
最終年度は学会発表および論文投稿を多数控えており、また、最終年度の研究は被験者を長期的に追跡する必要があり、人件費等の支出が多く見込まれ、当年度の配分経費を節減する余裕がないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にこれまでの研究成果の発表(学会発表、論文投稿)経費として使用予定。また、H27年度にて収集した歩行動作データの解析を進めるためにも使用。
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Research Products
(6 results)