2014 Fiscal Year Annual Research Report
黄砂発生地域における表層土壌回復のための社会的経済的アプローチ
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26283008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深尾 葉子 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (20193815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安冨 歩 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20239768)
山本 健太郎 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (40305157)
北島 宣 京都大学, 農学研究科, 教授 (70135549)
宇山 浩 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70203594)
中澤 慶久 大阪大学, 工学研究科, 特任教授(常勤) (70575414)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シアノバクテリア / 黄土 / 表層土壌 / 結皮 / 多糖類 / スナモモ |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、当初スタートメンバーで研究会を開催し、それぞれのこれまでの研究を報告し理解を深めた。その後8月に内モンゴル阿拉善と陝西省黄土高原に赴き、現地の緑化プロジェクトの現場やそこでのさまざまな実験の模様を観察。さらに黄土高原では、長年にわたり緑化を進めてきた朱序弼を訪ねた。 阿拉善では、本研究協力者である富樫智がプロジェクトを多年にわたって行っており、そのなかでもオニクとよばれる薬用酒の製品化、エミューという環境に負荷の少ない飼育の可能な動物の利用。シアノバクテリアなどの土壌表面を覆う微生物の活用などのプロジェクトについて、話し合いを行う。また、帰国後大阪大学宇山研究室およびHitzバイオ協同研究所において、再度集まり、多糖類による粘性物質を出す種子などのサンプルの提供を受けた。いずれも乾燥地植生の産業利用に大きく寄与する可能性を持つもので、今後、外部の企業とも連携を図りながら作業を進めてゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、関係者による現地調査を終え、それぞれが作業と課題を持ち帰った。今後、本研究テーマに合致する具体的なプロジェクトをそれぞれ推進し、黄土高原および砂漠化した草原地帯における表層土壌回復のための個別のテーマの研究を行う。そのための基礎的作業を昨年度は行うことができた。メンバーは調査で得た情報をもとに、具体的に自分自身が進める個別のテーマを持ち帰り、今年度調査を含めて作業を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度得られたテーマにもとづいて各自作業をすすめてゆく。一つは表層土壌を構成する結皮(バイオクラスト)の組生について、その特性、構造、を解明し、乾燥地域の植被回復の要として、どのように戦略的に活かしてゆけるかを中心に考える。そのために、バイオクラストを破壊しない経済活動の構築を中心に、共同研究を進めてゆきたい。実際には、シアノバクテリアが覆う土壌表面の構造と、そこで生成されている多糖類が植生の回復に果たしている役割に注目する。また土壌表面を破壊しない植生の利用を進めるため、沙蒿や砂桃の利用について研究を進める。
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Causes of Carryover |
今年度夏季の中国調査に参加できなかったものが2名おり、その結果基金部分の使用額が繰越となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、生薬の研究者および地質研究者が現地に赴く予定となっており繰越部分を一部使用する予定である。
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Research Products
(1 results)