2015 Fiscal Year Annual Research Report
未完の記譜法:創造の為のアーカイブの実践的研究~言語・身体・イメージから
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26284021
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
高橋 悟 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (30515515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
建畠 晢 多摩美術大学, その他部局等, その他 (50125217)
篠原 資明 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (60135499)
牧口 千夏 独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館, その他部局等, 研究員 (90443465)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 記譜 / アーカイブ / 現代美術 / 言語 / 身体 / イメージ / 空間 / 音 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、「言葉・イメージ・身体」に運動を起こす流動的な「装置」として広く記譜を捉え返すことで、ジャンルを超えた実験、研究、制作を進めた。成果の中間発表としては、京都国際現代芸術祭で京都市美術館を使用した大規模の展示を行った。建築、庭園、地図、映像、音声など複数のメディアを駆使し、読む、観る、歩くという行為や動作が、多様な系列で生起する多層的空間の創造を目指したものである。展示期間中は、鑑賞する場としてのみではなく、多様な相互作用が生まれる場としても美術館を活用する為に、複数プログラムの開催やシンポジュームへの参加も行った。また美術館アーカイブの創造的な誤読の実践としては、写真家ヘンリータルボットの著書「自然の鉛筆」(1844-46)から導かれるキーワードに基づき、美術館の収蔵作品を選び、再配置する構想を展示へと発展させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リサーチや実験に加え、大規模な展示に関わるプロジェクトの実現、それらを検証する公開シンポジュームの開催なども活発に行うことで、多角的な視点から我々の研究の意義について、客観的に検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
建築、環境、制度、歴史との関係から総合的な研究と実践を進める。それを基盤に、多様な主体の身体の振る舞いとそれらの相互行為を生み出す開かれた場の生成へと発展させる計画である。また、「身体を貫通する権力」という視点から、記譜とダイアグラムの関係を捉え直し、既存の芸術の歴史やジャンルを横断する形での創作や海外でのリサーチを行う。
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Causes of Carryover |
研究制作の成果の還元の一環として、海外調査に基づく地域コミュニティーとの連携による資源の活用と、それを基盤にした展示計画を進めていたが、土地使用の認可などが遅れたため、次年度に持ち越されることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外調査を行うと共に、京都市下京区崇仁地区の祭りに関わる記譜を活用した研究制作と展示発表を開催する。
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Research Products
(6 results)