2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26284023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 聰 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50293113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00242074)
佐藤 康宏 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50141990)
高岸 輝 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80416263)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 美術史 / 宮廷 / 天皇・皇帝 / 宝物 / 比較美術史 / 宗教美術史 / コレクション / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
宮廷と美術との関係の諸相についての比較美術史的観点からの検討を目指して、日本美術班、東洋美術班、西洋美術班に分かれて、それぞれの地域における宮廷美術について具体的事例に即した調査研究を行なった。日本美術班では、天皇と美術との関わりを通時的に考察すべく、連携研究者、研究協力者の協力を得て、8月に全関係者が集っての研究会を開催し、相互の情報交換と研究交流に務めた。また、研究分担者のうち一名はブラジルにおいて絵巻について発表し、もう一名は後述する台湾での機会において、「信貴山縁起絵巻」と北宋の「枇杷戯猿図」(台北故宮博物院)との間の宮廷という文脈からの共通点について論じた。東洋美術班では、東京国立博物館における台北故宮博物院所蔵展覧会や故宮博物院における作品調査を契機として、宮廷との関わりからそのコレクションの意義について考察した。また、秋に三井記念美術館において開催された「東山御物の美」展の企画に携わり、中国皇帝コレクションとの比較から足利将軍家コレクションの史的位置を明らかにしようと試みた。さらに、展覧会期間中を中心にそれら作品の実見調査を行い、大いに成果を得ることができた。西洋美術班では、研究協力者の助力を得つつ、主として西欧における聖俗両界における宝物コレクションの調査研究を行なった。とりわけ、典礼用具の世俗宝物化の背景や経緯についての考察を展開し、この内、典礼用ストローについては論文にまとめた。また、球形懐炉ないし香炉についても研究協力者による口頭発表の準備を行なっているところである。なお、9月には研究代表者・分担者全員が参加して、台湾大學藝術史研究所において研究集会を共催し、本研究のこれまでの成果と今後の見通し、協力体制等について議論し、多くの有益な知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ想定される範囲内で進行しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
積極的に海外の研究者との交流を重視した研究会等の開催を計画しているところであり、研究会等の開催に関して、場所が変更になったり、日時が前後する可能性があるものの、おおむね順調に進行している。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた宮廷と美術に関わる書籍の一部が未刊行であったり、希少な洋古書のため注文直前に売却され予定の期間内に購入できなかったりしため、若干の残額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初購入予定であった書籍の購入を予定しているが、未刊行等により入手が困難な場合は、類書の購入に充てる予定である。
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Research Products
(21 results)