2014 Fiscal Year Annual Research Report
中近世絵画における古典の変成と再結晶化―話型と図様―
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26284024
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
佐野 みどり 学習院大学, 文学部, 教授 (60178811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加須屋 誠 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (60221876)
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40313192)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 美術史 / 中近世物語絵画 / 古典知 / フレーム / 国際研究者交流 / 源氏絵 / 中世の信仰 / 掛幅縁起 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は1回の研究会(第2回は10月13日京都開催を予定していたが、台風接近のため当日中止)、1回の国際シンポジウムを企画し、10回の作品調査を行った。科研初年度ということで、3月に国際シンポジウムを開催し、本科研の取組みを周知するとともに、フレームという新しい視点からの議論を試みた。その他の活動概要は以下の通りである。
1)5月4日 伊勢参宮図屏風調査(名古屋市博物館)、2)6月4日 春日補陀落曼荼羅調査(根津美術館)、3)6月20日 研究会(奈良学セミナー)研究報告:相澤正彦、津田卓子、藤原重雄 *同日、大和文華館 特別展「社寺の風景」学芸員 古川摂一氏のギャラリートーク、4)6月21日 清水寺参詣曼荼羅摸本調査(清水寺)中世絵画作品調査(古美術柳)、5)6月25日 富士参詣曼荼羅調査(静岡県立美術館)、6)7月16日 禅林寺十界図調査(京都国立博物館)、7)10月8日 十王図調査(出光美術館)、8)10月13日研究会(京都ガーデンパレスホテル)研究報告:三戸信恵、森道彦、フランク・フェルテンスを予定していたが、台風のため当日朝に中止とした、9)11月4日 平家物語図屏風調査(岡田美術館)、10)12月25日 帝冠図屏風、二十四孝図屏風調査(九州国立博物館)、11)1月17日~26日 アメリカ西海岸調査、12)国際シンポジウム:Frames and Framings in a transdisciplinary perspective ― 枠、枠組みの文化論 ― 基調講演:佐野みどり 研究報告:阿部泰郎、島尾新、趙声良、水野さや、シンシア・ボーゲル、荒川正明、マシュー・マッケルウェイ、田代一葉、ワイ・イー、ヤン・ユー、関原彩、セラ・サンプター、松波直弘、鈴木健一、タイモン・スクリーチ、阿部美香、鷲頭桂、メラニー・トレーデ、13)3月9日~19日 アメリカ調査
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の調査については概ね計画通り進行している。国際シンポジウムについては、学内の国際研究教育機構の協力を得て、当初の計画よりも規模を大きくし、2日間にわたり20名の研究報告を行った。また、27年度はその研究報告を論集として刊行すべく準備を進め、この事業に関しては大幅に進展した。大判資料集、『中世絵画のマトリックスⅢ』の編集業務は進んでいないため、27年度は力を入れて取り組んでいきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
1)frameシンポジウムでの研究報告論集については、既に報告者にご寄稿いただくようお願いし、27年度中に編集作業に取りかかれるよう鋭意進めていきたい。また、秋にも第2回目のframeシンポジウムを開催し、研究活動を周知するとともに、広く意見交流を図りたい。 2)進捗が遅れている大判資料集や『中世絵画のマトリックスⅢ』の編集作業に取りかかる。 3)作品調査と調査画像のデータベース化は、引き続き進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
国際シンポジウム「Frames and Framings in a transdisciplinary perspective ― 枠、枠組みの文化論 ―」の反響が大きく、第2回目を望まれる声も多かったため、翌年度開催に向けて諸経費として予算の一部を確保しておくため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
第2回国際シンポジウム「Frames and Framings in a transdisciplinary perspective ― 枠、枠組みの文化論 ―」の諸経費として使用予定。
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Research Products
(21 results)