2015 Fiscal Year Annual Research Report
中近世絵画における古典の変成と再結晶化―話型と図様―
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26284024
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
佐野 みどり 学習院大学, 文学部, 教授 (60178811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40313192)
加須屋 誠 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (60221876)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 美術史 / 仏教説話画 / 近世物語絵画 / 景観表象 / 古典知 / フレーム / 物語表現 / 話型 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は1回の研究集会と12回の調査を行った。その他、26年度に行ったFrameシンポジウムの刊行準備のため、編集・翻訳作業にあたった。研究集会と調査の概要は以下のとおりである。
1)4月28日源氏物語絵詞調査(MIHO MUSEUM)、2)7月31日抱一、其一等江戸琳派作品調査(山中精華堂)、3)8月4日 聖衆来迎寺本六道絵調査(東京国立博物館)、4)8月5日聖衆来迎寺本六道絵調査(奈良国立博物館)、5)8月6日聖衆来迎寺本六道絵調査(京都国立博物館)、6)8月6日聖衆来迎寺本六道絵調査(琵琶湖文化館)、7)8月14日衆来迎寺本六道絵調査(大阪市立美術館)、8)8月22日東海道図屏風調査(山中精華堂)、9)9月9日源氏物語図屏風調査(今治市河野美術館)、10)1月10日研究集会(学習院大学) 研究報告者:高岸輝、三戸信恵、小平美香、水野さや、11)1月21日仁和寺本車争い図屏風調査(京都国立博物館)、12)1月22日源氏物語図屏風調査(今治市河野美術館)、13)2月17日住吉家粉本類源氏絵調査(東京芸術大学)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年3月開催の[第1回Frameシンポジウム―フレームの超域文化学―]の研究報告を論集として刊行するため、2016年3月末までに完全原稿を提出していただき、形式の統一や挿図構成など編集の上、半数の入稿は済んでいる。なお、翻訳が必要な原稿については、翻訳依頼し作業中である。2016年度秋の刊行を目指している。
2016年7月末に[Fmeシンポジウム―世界認識と古典知―]を開催するため、上記研究論集の業と並行してシンポジウム準備を進めた。第2回シンポジウムは当初、2015年度実施の計画ではあったが、より充実した内容で開催するため調整に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き国内外の物語絵画の調査を進める。特に今年度は、その成果報告もかねて、研究協力者とともに研究集会を開き、中近世絵画にみる古典の再結晶化の様相について検討する。現段階では、日本内外の研究者を対象に、2016年7月末に第2回Frameシンポジウム開催予定。さらに初学者や留学生向けに「世界の中の日本美術」と題したプレシンポジウムを開催を予定し、より多くの方へ美術史を学ぶ楽しさを発信し、これまでの研究成果を還元したいと考える。
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Causes of Carryover |
Frameシンポジウム論集刊行にあたり、2015年度末から年度をまたいで翻訳作業を依頼しており、成果物を確認してからの支払いになるため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英訳3本、日本語訳3本(内、中国語からの和訳1本含む)について、新年度に交付される基金と合わせて支出を予定している。
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Research Products
(8 results)