2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26284037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松岡 心平 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70173812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 剛生 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (30295117)
高橋 悠介 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸員 (40551502)
落合 博志 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (50224259)
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
高桑 いづみ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 無形文化財研究室長 (60249919)
小林 健二 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (70141992)
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 教授 (70360253)
天野 文雄 京都造形芸術大学, 舞台芸術センター, 所長 (90201293)
横山 太郎 跡見学園女子大学, 文学部, 准教授 (90345075)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)観世文庫の書誌調査:観世文庫所蔵能楽関係資料のデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」を拡充するため、観世文庫において数日間にわたる原本調査を3回にわたって行った(平成27年5月15日~17日、9月18日~20日、12月5日~7日)。この原本調査により、すでに撮影したデジタル画像に基づいて作成していた資料解題を見直し、新たな書誌情報を加え、その結果を文献データベースに統合した。 (2)観世宗節に関する研究会の開催:上記の原本調査にあわせて、平成27年5月17日(第一回)と同年12月5日(第二回)、七世観世大夫宗節に関する研究会を観世文庫において開催した。観世宗節は、世阿弥伝書の多くを書写するなど、観世家のアーカイブの形成を考える上でも重要な大夫である。初回は江口文恵(研究協力者)が、二回目は天野文雄(研究分担者)が研究発表を行い、参加者の間で意見を交換した。 (3)室町期重要資料の伝書翻刻:観世宗節が書写した世阿弥伝書をはじめとした能楽伝書の一部について、平成26年度に決めた分担に基づき翻刻データの作成を行った。これらは将来、観世文庫の画像データベース「観世アーカイブ」に統合して表示することを予定しているものである。 (4)シンポジウムの開催:平成27年5月9日に京都・賀茂御祖神社(下鴨神社)において、シンポジウム「糺河原勧進猿楽とは何だったのか―足利将軍と能楽―」を開催した。松岡心平・小川剛生(研究分担者)他が登壇し、観世文庫に残る「寛正五年糺河原勧進猿楽図」などに基づき、糺河原勧進猿楽の意義を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に特段の問題は生じておらず、順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
観世文庫の書誌調査は研究期間全体を通して継続し、文献データベースの拡充につとめる。また、観世宗節に関する研究会も継続し、その研究成果については、追って論文等による公開を検討している。
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Causes of Carryover |
平成28年度に、観世文庫資料について、これまでの解題の再確認や補充調査なども含めた作業を行う予定であり、そのためにかかる人件費を少し多めに確保するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度中に行う観世文庫資料調査の謝金に充てる。
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