2015 Fiscal Year Annual Research Report
西欧アヴァンギャルド芸術における知覚のパラダイムと表象システムに関する総合的研究
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26284046
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
山口 裕之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40244628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 あかね (秋元あかね) 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30552335)
和田 忠彦 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50158698)
松浦 寿夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60219384)
沼野 恭子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60536142)
前田 和泉 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70556216)
吉本 秀之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90202407)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アヴァンギャルド芸術 / 知覚 / 表象文化論 / 技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人間の知覚という生理的現象が歴史的・文化的に形成され規定されたものであるという前提に立つ「視覚論・知覚論」の基本的立場を継承しつつ、技術と知覚の相互関係に対する視点を、とりわけ20世紀のアヴァンギャルド芸術研究へと敷衍する。それによって、アヴァンギャルド芸術研究の領域でこれまで美学的・思想的・文化的観点からとらえられていた芸術と知覚におけるパラダイム転換の問題を、技術論・メディア論的な視点においてとらえるとともに、翻って、思想史的なアプローチが中心にあったこれまでの知覚論のコンテクストに対して、アヴァンギャルド研究に焦点を当てた知覚研究を目指している。 平成27年度は、I. 前年度に引き続き、研究対象となる各文化圏のアヴァンギャルド研究を、(1) 口頭発表や論文等のかたちでの個人の研究、および (2) 研究分担者その他によるワークショップというかたちで進めた。 また、II. 国内研究者を中心とするシンポジウム(「臨界のメディアとアヴァンギャルドの知覚」、2016年3月8日、東京外国語大学)を開催した。このシンポジウムは、これまで進めてきた各地域のアヴァンギャルド研究の報告の場となるとともに、招待した研究者からも非常に多くの刺激を受け、さらに研究の方向性を見極めることができるものとなった。 III. さらに、とりわけ来年度の国際シンポジウム開催に向けて、海外の研究協力者とのネットワークのなかで来年度の研究に向けた準備を進めていった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究実施計画として想定されていた研究上の項目はほぼ満たされている。研究代表者が、当該年度前半に学内の「特別研修」となったため、他の研究分担者との共同作業の機会が減ることになってしまったが、その分、滞在先の海外の研究者との連携が強まるという側面もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
全体に、当初予定していた研究実施計画にほぼ沿うかたちで研究が進んでおり、最終年度となる平成28年度も予定していたように、個別研究を汎ヨーロッパ的視点へと高めて行く方向性で研究を進めていく所存である。その軸となるのは、(1) 個人レベルでの研究の継続、(2) ワークショップによる共同研究(個人レベルの研究の深化、および汎ヨーロッパ的視点での研究)、(3) 国際シンポジウム開催による研究の総括、である。
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Causes of Carryover |
もっとも大きな理由は、研究代表者が今年度前半に「特別研修」で海外で研究を行うことになり、日本での予算活用がその期間できなかったことである。(ちなみに書籍購入には現地での購入のために別途学内の予算がついた。研究遂行そのものは、研究所の書籍やそういった予算により問題なく行うことができた。)
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度は国際シンポジウムを予定していることもあり、十分な予算を確保しておきたいこともあり、50万円強を来年度活用できることは全く問題なく、かえって有効に使うことができると考えている。
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