2016 Fiscal Year Annual Research Report
Die apokalyptische Kultur als Topos in der deutschen Literatur und Geistesgeschichte. Ist das 'Ende' vom Ende moeglich?
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26284048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小黒 康正 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (10294852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 洋一郎 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (30206180)
福元 圭太 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (30218953)
武田 利勝 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (80367002)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 黙示録 / ドイツ文学 / ドイツ思想 / 終末 / トポス / 破局 / トーマス・マン / 第三の国 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、本研究をより国際的に進展させるために、2016年夏にウィーンに短期滞在をした。出張期間中には、1)ウィーン大学にて資料収集をし、2)ウィーン大学の Eva Horn 教授、ローベルト・ムージル研究所の Elmer Lehnhart 博士、ローベルト・ムージル文学館館長のHeimo Strempfl 博士と会って意見交換を行い、3)更にバイエルン独日協会で招待講演を8月3日に行った。 2016年8月23日から26日までの間、国際学会「アジア地区ゲルマ二スト会議」がソウルの中央大学で開催された。黙示録文化に関するこれまでの研究成果を国際的に発信するため、小黒康正、Andre Reichart、Marcus Conrad、徳永恭子、坂本貴志がそれぞれ研究発表を行った。 本研究プロジェクトでは、創作の観点も取り込んで、黙示録文化に関する考察を更に深めようとしている。世界の終末はいまだ誰も経験したことがない。それにもかかわらず、世界の終末はさまざまな文学作品において繰り返し扱われてきた。しかも、未来を破局として描くもの、「終末」から物語を始めるものが少なくない。それはなぜか。そもそも誰も未経験な終末がいかにして表現可能になっているのか。以上のような問いを作家の多和田葉子氏に立てたところ、多和田葉子朗読会が第4回九大独文科研研究会として 2016年9月19日に九州大学文学部で開催されることとなった。 2017年2月11日には、九州大学文学部で第5回九大独文科研研究会を行う。その際にお迎えしたのが、上述の Eva Horn 教授である。同会は2回目の国際コロキウムでもあった。研究発表を担当したのは、小黒康正、嶋田洋一郎、徳永恭子、Eva Horn である。更に、同教授には、第6回九大独文科研研究会として、2017年2月14日に京都大学文学部でも講演をしていただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度には、国内外でこれまでの研究成果を積極的に発信した他に、ドイツ語と日本語で創作活動を行っている芥川賞作家の多和田葉子との意見交換を通じて、黙示録文化に関する考察を更に深めた結果、大学人のみならず、一般市民の方々にも研究成果を報告する機会を得て、予想以上の進展と当初計画を上回る成果を得ることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後とも、専門研究者の視点にのみならず、創作者の視点も取り入れて、黙示録文化に関する考察を更に深め、国内外でこれまでの研究成果を積極的に発信して行きたい。その際、一般市民向けの情報発信も心がけて行くことにする。
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Causes of Carryover |
ウィーン大学のEva Horn 教授をお迎えして、2017年2月11日に九州大学文学部で第5回九大独文科研研究会を、そして2月14日に京都大学文学部で第6回九大独文科研研究会を行った際、当初の予定よりも支出がすくなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、フランクフルト大学の Johannes Fried 名誉教授をお迎えして、2018年3月に九州大学文学部で第7回九大独文科研研究会を行う予定である。
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Research Products
(40 results)