2018 Fiscal Year Annual Research Report
青島・烟台をめぐるドイツ・日本・中国の「文化的記憶」
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26284052
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三宅 晶子 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (50157608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 雄一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30305403)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コミュニケーション的記憶 / 青島の街路樹 / イェシュケ記念碑 / 東亜新秩序の礎 / 坂東俘虜収容所分置所跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献研究、坂東・青島調査、「満州国」文学研究会での研究発表を行った。また、2019年の比較文学会全国大会(北海道大学 6月15日)のワークショップに申請したところ採択となったため、具体的な発表内容について詳しい打ち合わせを行った。 【坂東調査】三宅晶子は、鳴門市ドイツ館での講演「坂東に生きた祖父を想う」(10月27日)に参加し、ドイツ人俘虜の孫である講演者ペトラ・ボルナー氏にコミュニケーション的記憶について質問した。また、ドイツ人以外の異民族俘虜の分置所について調査した。分置所となった成就院(通称 中寺)は現存していないが、その跡地を訪ねたところ、地域の共栄自治会の集会所内に、成就院の沿革を伝える文書が残されており、そこに分置所開設についても記され、住民が今も俘虜たちの記憶を伝えていることが分かった。その文書の写しを入手することができた。 【「満州国」文学研究会で口頭発表】12月22日(東京外国語大学 本郷サテライト校舎)で以下の発表を行い、参加者との質疑・ディスカッションを行った。三宅晶子「記憶メディアとしての都市」青島:都市構造の変化と「文化的記憶」の諸相―ドイツ・日本による「租借」・占領と中国」、橋本雄一「「断続的」植民地期の青島と東北―1920年代のひと、言語、メディア言語の往来」 【青島調査・烟台での研究打ち合わせ】 3月27-29日青島で街路樹・記念碑・台東鎮を調査、青島市博物館で文献を調査した。青島市博物館では「東亜新秩序の礎」「烈魄化碧」の碑等を調査し、イエシュケ記念碑の変遷について文献調査した。3月30日烟台で李文哲(烟台大学)・朴銀姫(魯東大学)と、比較文学会全国大会でのワークショップ(北海道大学 6月15日)について詳しい打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進行している。研究代表者の家族の入院等により海外調査や共同研究発表申し込みの時期が遅れることとなったが、2019年の比較文学会全国大会のワークショップに採択され、中国からの研究者も参加して共同研究発表を行うことになったため、さらなる研究の展開を目的に科研費期間延長を申請し、承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
日本比較文学会全国大会(2019年6月15日 北海道大学)のワークショップ「青島をめぐるドイツ・日本・中国の文化的記憶」(三宅晶子:「記憶メディアとしての都市」青島と坂東、橋本雄一:中国作家の言語と植民地―東北と青島を結んで、李文哲・朴銀姫:「植民地」下青島と現代の中国人のドイツ・日本への視線)でこれまでの研究成果を発表する。そこでの議論をふまえて研究をさらに発展させて、来年度成果をまとめる予定である。
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Research Products
(9 results)