2015 Fiscal Year Annual Research Report
神智学運動とその汎アジア的文化接触の比較文学的研究─東西融和と民主主義の相克─
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26284054
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
安藤 礼二 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (20445620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 良男 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (60148294)
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, 人文科学部門, 教授 (90271600)
赤井 敏夫 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (00192873)
稲賀 繁美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40203195)
橋本 順光 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (80334613)
岡本 佳子 国際基督教大学, アジア文化研究所, 研究員 (70468560)
Capkova Helena 早稲田大学, 国際教養学術院, 助教 (80631332)
荘 千慧 大阪大学, 文学研究科, 助教 (50711123)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 比較文学 / 比較宗教学 / トランスカルチャル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、ドイツのハイデルベルグ大学(9月24日から26日)およびアメリカのコロンビア大学(10月9日から10日)で開催された国際カンファレンスの発表者として研究分担者を派遣することができた。「諸境界を横断する神智学」を主題としたハイデルベルグでは、稲賀が九鬼周造について、莊が上海の神智学ロッジについて、チャプコヴァーがポンデイチュリーのオーロビンド・アシュラムについて、橋本がジェイムズ・カズンズについて、吉永が鈴木大拙夫妻の創設した大乗ロッジについて、研究成果を報告した。「神智学と諸芸術」を主題としたコロンビアでは、赤井がやはり大拙夫妻を中心とした神智学ロッジについて、莊が中国における神智学の受容について、チャプコヴァーが神智学の文化横断性について、研究成果を報告した。 海外調査としては、赤井がスリランカとインド(ダルマパーラ研究)を、安藤がインド(オーロビンド・アシュラム研究)を、岡本が中国(岡倉天心研究)を、杉本がインド(インド独立運動研究)を、莊がオーストラリア(シドニー神智学協会研究)を行った。国内調査としては吉永を中心に北鎌倉の松ヶ岡文庫で鈴木大拙夫妻の洋雑誌の目録作りのための整理作業が行われた。 上記のいずれの研究成果も、昨年度からの継続的な研究を土台として、そこにさらなる新たな知見を盛り込むかたちで可能になった。当初の目的の一つであった世界に向けての研究成果の発信は充分に果たされたと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者各人の国外調査および国内調査、さらにはそれらをもとにした研究成果の国際学会での発表等については、当初の計画以上に進展している。ただし、国外から研究者を招聘しての研究会を予定通り開催できなかったこと等もあり、上記の解答となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に引き続き、北鎌倉の松ヶ岡文庫の調査を5月、7月、11月に実施する予定である。鈴木大拙の妻ベアトリス・レーンを通じて大拙と神智学の関わりについてはこれまで何度か言及はされてきたが、実態は分からなかった。松ヶ岡文庫に残されている洋雑誌の整理と目録化によって、大拙夫妻と神智学の国際ネットワークと関わりの全貌が解明しつつある。海外調査もまた継続して行う(インド、漢文圏の地域を予定)。本年度の調査を基に最終年度で調査を終了し、その成果を広く社会に還元していく。 また、研究成果として「ネットワークとしての神智学」を主題とし、国内外から研究者を招聘し、2017年3月7日と8日に大阪の国立民族学博物館(2日)での基調講演および政治と文化の分科会、3月11日に京都大学(人文研)での研究会(1日)を開催予定である。この「国際カンファレンス」での研究成果発表を基にし、最終年度に報告書をまとめていく。
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Causes of Carryover |
主な理由として、海外から研究者を招聘する計画が予定通り進められなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内調査では、前年度に引き続き、北鎌倉の松ヶ岡文庫の資料調査を5月、7月、11月に実施する予定である。よって、未使用額については、これらの調査関係費用として使用予定である。 また、平成28年度は、海外から3名程度の研究者を招聘し、「ネットワークとしての神智学」を主題とし、2017年3月7日と8日に大阪の国立民族学博物館(2日)での基調講演および政治と文化の分科会、3月11日に京都大学(人文研)での研究会(1日)を行う。日本国内よりも数名の講演者およびコメンテータを招き、「国際」の名にふさわしい規模と内容をもったカンファレンスおよび研究会にしたいと考えている。よって、招聘旅費や非招聘者への謝礼、研究メンバーの旅費として主に使用予定。 その他、研究会開催旅費、関係文献の購入費や、研究成果論文の英文校閲費として使用予定である。
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Research Products
(32 results)
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[Presentation] Mahayana lodge reconsidered2015
Author(s)
Shin'ichi Yoshinaga
Organizer
Theosophy Across Boundaries
Place of Presentation
Heidelberg Center for American Studies, Curt und Heidemarie Engelhorn Palais, Heidelberg, Germany
Year and Date
2015-09-26
Int'l Joint Research / Invited
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