2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ディケンズ・レキシコン・デジタルの開発とそれに基づく後期近代英語研究
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26284068
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
堀 正広 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20238778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今林 修 広島大学, 文学研究科, 教授 (90278987)
田畑 智司 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (10249873)
高口 圭轉 安田女子大学, 文学部, 教授 (50195658)
永崎 研宣 一般財団法人人文情報学研究所, その他部局等, 研究員 (30343429)
島 美由紀 (西尾美由紀) 近畿大学, 工学部, 講師 (50549524)
舩田 佐央子 別府大学, 文学部, 講師 (40389391)
三宅 真紀 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (80448018)
地村 彰之 広島大学, 文学研究科, 教授 (00131409)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Dickens / Lexicon Digital / Web上での公開 / 18世紀・19世紀英国小説 / 電子テクスト / イディオム / 多機能搭載 / 後期近代英語研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の出発点は、山本忠雄博士(1904-91)(元広島大学・神戸大学教授)の著書Growth and System of the Language of Dickens: An Introduction to ADickens Lexicon である。この著書は、1946 年東京大学より文学博士の学位を授与され、1953 年には英語研究において最初の学士院賞を受賞された。山本博士はDickens Lexiconの完成を目指して、3 度共同研究を試みられたが、いずれの共同研究も山本博士が意図したような結果は得られなかった。それ以降は、山本博士独力で用例の収集にあたったが、1991 年に他界された。 1997 年に山本博士の自宅から約6 万枚のLexicon 作成のためのカードが発見された。1998年に研究者20名のプロジェクトチームを結成した。このプロジェクトは、紙媒体のDickens Lexicon ではなく、コンピュータを駆使した多機能搭載型のDickens Lexicon を作成することにした。 本研究の目的は、平成23 年度から25 年度まで採択された科研費「高機能インターフェイスを備えたデジタルディケンズレキシコン作成とその活用研究」の最終段階で、Dickens Lexicon Digital の完成版をWeb 上で公開し、海外の研究機関との国際連携を強化することである。新たに共同研究者として自然言語処理の専門家を加え、コロケーションの検索機能や統計処理機能を付与する。世界初のDigital Lexicon を日本から発信することを目指す。 本年度は本研究課題に基づいて海外の学会で3名、国内の学会で4名が発表した。平成28年度には研究代表者である堀の編集で『コーパスと英語文体』(ひつじ書房)を刊行する。その内の1章は本研究課題に関する研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29 年3 月のWeb 上で部分的に公開をするために、すでにデモ版の作成は終えている。残りのカードの内容、つまり見出し語、品詞、定義、作品名、章、引用、OED の引用有無、コメントを完成する。また、Dickens の作品以外の18 世紀と19 世紀の英国小説の作品の電子化をほぼ終了している。Web アプリケーション開発の専門家と統計処理の専門家による様々な機能の開発を行っている。さらに部分的な公開による利用者からのフィードバックを参考に、問題点の修正や他の機能の可能性を探る。本プロジェクトの発信として、2015年6月13日にディケンズフェローシップ協会で、「シンポジウム:ディケンズの言語と文体」を行い本研究課題であるDikens Lexicon Digitalを利用した発表を研究代表者と分担者3人、合計4名で行った。全面公開を目指して研究代表者と分担者・協力者との打ち合わせや発表会を頻繁に行った。したがって、本研究課題は当初の予定通りおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も引き続き、全面公開に向けて分担者や協力者と連絡を密に取り作業を進め、発表会を少なくとも3回行い、研究代表者や分担者・協力者が国内外での発表や発信を行っていく。すでに平成28年度は、研究代表者である堀が、平成28年6月25日に安田女子大学で開催される近代英語協会のシンポジウムの講師として、本研究課題のDikens Lexicon Digitalを利用した研究発表を行う予定である。世界初のDigital Lexicon を日本から発信することができる日を目指して研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
分担者が次年度に、次年度の使用額とあわせてパソコンを購入するため。予定していた海外の学会先の治安不安定のために渡航を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分担者は次年度の使用額とあわせてパソコンを購入する計画。次年度は海外の学会に参加予定である。
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Research Products
(25 results)