2015 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェイス理論による第二言語習得研究に基づく明示的外国語指導法の開発
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26284077
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤崎 宏一 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (20363898)
横田 秀樹 静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 教授 (50440590)
須田 孝司 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (60390390)
藤森 敦之 静岡大学, 大学教育センター, 講師 (80626565)
吉村 紀子 静岡県立大学, 言語コミュニケーション研究センター長, 特任教授 (90129891)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 第二言語習得研究 / 文法の明示的指導 / 誤り訂正 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語を母語とする英語学習者を対象に、彼らの英語習得の過程を明らかにし、明示的な文法指導、誤り訂正がどの領域で効果があるか、またはないかについて研究することにより、日本の英語教育(外国語教育)に貢献することを目的としている。 本研究代表者は、平成27年度に『英語指導における効果的な誤り訂正-第二言語習得研究の見地から』(大修館書店)を出版したが、これは本科研費の研究成果であり、また平成27年度における最大の研究実績である。実証的データに基づき、本書の中で筆者は次のような仮説を立てるに至った。つまり、明示的な文法指導、誤り訂正が効果的である文法項目は以下の特性を持つ:(1)規則の内部構造が単純な項目、(2)語彙的な意味の伝達が主となる項目、(3)日本語(母語)に同じか類似した概念・構造が存在する項目、(4)今までに十分に教えられてこなかった項目。一方、明示的な文法指導、誤り訂正が効果的でない項目は以下の特徴を持つ:(1)規則の内部構造が複雑な項目、(2)文法的機能の伝達が主となる項目、(3)日本語(母語)に同じか類似した概念・構造が存在しない項目、(4)その規則について既に十分な知識を持っている項目。さらに、明示的な文法指導、誤り訂正が効果的である学習者側の条件として次の項目を挙げた:(1)教師の説明が十分理解できるほどの認知能力・分析能力がある。(2)当該文法項目の規則が受け入れられる段階にまで第二言語の習熟度が到達していること。 研究分担者たちも、第二言語習得研究領域のさまざまな面において、研究を推し進めている。最後の年度となる平成28年度は、以上の仮説をさらに支持する実証データを集めることになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度も、26年度に引き続いて、研究代表者、分担者達が、国内外のさまざまな学会で研究成果を発表してきた。このような現状をかんがみると、申請書に記載した内容の通りに研究が進んできていると言ってよいだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
上記でも述べたが、平成28年度は3年間の研究の最終年度になるため、さらに研究を続け、その研究成果を国内外で開催される学会や国際ジャーナル等で発表していきたい。
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Causes of Carryover |
最終年度の平成28年度に、海外での国際学会で研究発表するために若干残しておいた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
8月にフィンランドのヘルシンキでのEuropen Second Language Association、9月にアメリカでのSecond Language Reserach Forum、12月にシンガポール国立大学で開催される国際学会に行き、研究発表をする。
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