2017 Fiscal Year Annual Research Report
産学ELF(共通語としての英語)使用実態調査とグローバル人材育成英語教育への提言
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26284083
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村田 久美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10229990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 安剛 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00130857)
飯野 公一 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (50296399)
寺内 一 高千穂大学, 商学部, 教授 (50307146)
小中原 麻友 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (80580703)
野澤 佑佳子 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 講師(任期付) (30737771)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 応用言語学 / ELF / 英語教育 / ESP / 社会言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は11月10,11日にメルボルン大学マクナマラ教授、ロンドン大学ターナー名誉教授、ストックホルム大学ビョークマン准教授を招聘、第7回早稲田ELF国際ワークショップと第3回EMI-ELFワークショップの合同国際大会を開催した。EMI-ELFワークショップは2日目午前に、EMIでのELF使用に注目、ビョークマン氏の基調講演後、マクナマラ、ターナー両教授の指定討論で議論を深めた。午後は個人発表後ELF評価のパネルで、ELF的視点を入れた試験開発中の京都工芸繊維大学羽藤由美教授、評価の専門家で連携研究者の澤木泰代教授、ELF的視点を入れた評価に関するビョークマン准教授の発表後、マクナマラ、ターナー両教授、会場の参加者も交え、活発な討論と意見交換を行った。 業績出版面ではH29年9月に村田と分担研究者小中原でWaseda Working Papers in ELF第6巻を発行、またEMIをELFの視点から考察した村田による編集本がルートリッジ社から2018年7月に刊行予定である。 実態調査では、アンケート調査、授業録画も追加、分析結果の一部をH29年6月のヘルシンキでの第10回ELF国際大会で村田・飯野・小中原が発表, また、村田は8月末のJACETサマーセミナーで今までの研究結果を踏まえたELFに関する特別講義を行い、同じく8月下旬のJACET国際大会でも海外共同研究者のウィドウソン、サイドルホファー両氏と共にパネルを組み、ELF研究の教育的意義について討議した。また、11月の国際ワークショップでも小中原・村田・飯野でこれまでの研究成果を発表、これと同時に、ビジネスピープルへの第2次アンケート調査とインタビュー、及びバンコクを拠点に活躍する日系企業等に勤務するビジネスピープルのインタビューをH30年1月末に研究分担者寺内、飯野の協力を得、実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画は概ね順調で、高等教育現場では授業録画やインタビューを追加実施し、その結果を随時国際学会等でも発表している。またH29年度もEMIに関する第3次アンケート調査をEMIプログラムとEMIコースの2種類の学生を対象に実施、H28年度に観察された後者におけるカリキュラム改革の効果が更にどのようにデータに反映されているかを検討、これにより、EMIの授業を受講する割合が増加するにつれ、EMIプログラムの学生の回答と共通点が多くなり、授業参加も積極的になることも明らかになった。これに加え、バンコクを拠点に活躍する日系及びシンガポール系企業、及び国際機関に勤務するビジネスピープルのインタビューをH30年1月末に実施し、現地語や多言語環境の中でのELF使用の実態を調査することができた。この結果はH30年の7月に開催の第11回ELF国際大会で口頭発表の予定である。ただ、ビジネスピープルのビジネス現場でのデータは許可を得るのがなかなか難しく、H30年度はインタビューに加え、ビジネス現場での録音実施に取り組むべく、更に分担研究者も含め、交渉、調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるH30年はH26-29年度収集及びH30年度追加調査で収集する異なる種類のデータ分析結果を有機的に結びつけ、その結果をもとに、ELFコミュニケーションで必要な能力とは何であるかを明確にし、英語教育にこの結果を如何に応用することが出来るか、その具体案を検討、提示する。この過程で、ELFと応用言語学、英語教育の関係を追求するために11月中旬に第8回ELF国際ワークショップ及びシンポジウム開催と同時に1月末に海外共同研究者2名を迎え、国際フォーラムを開催し、ELF研究の教育的意義の総まとめを行う。また、国内の教育、行政関係者、一般の方とも広く研究成果を共有し、国際的にもこの研究を位置づける為に、国内外の学会でも結果を積極的に発信すると同時に、国内外の学術誌やメデイア等でも発表、多くの方にその結果を報告、発信していく予定である。この一環として、6月にELF11国際大会等で村田、飯野、小中原、寺内が共同で研究発表を行うと同時に、その他、分担研究者の小中原、野澤も研究発表の予定である。また、11月の国際シンポジウムに向け、これまでの研究結果を有機的にまとめ、ELFコミュニケーションの実態を踏まえた到達可能なコミュニケーション能力目標の策定に全員で取り組むと同時に、これをシンポジウムのパネル等で話し合い、更に理解を深めていく。また、上記の結果を基に、ELFコミュニケーション能力育成の実現の為の教育及び意識改革の具体的な方策を考え、提案する。これと同時に、上記の内容を織り込んだ最終報告書の作成に取り組み、また、6月末にWorking Papers Vol.7 を、H31年3月末にはVol.8 を 刊行すると同時にELF研究の方法論に関する新たな編集本出版の企画を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額、124,688円は学外分担者のお一人がデータ分析の為に購入予定であった研究機器(PC等)がこの金額での購入が難しいと判断し、H30年度配分の分担金と合わせて購入することに決め、次年度使用額として残したためである。H30年度分担金を支給頂いた時点で、不足分を補い、購入が可能となる予定である。
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Research Products
(43 results)